▼STORY.8 ページ8
zm「なぁ、A。」
『...ん』
zm「俺等はな、Aが大事やねん。
だから、今後もし今みたいな状況になった時は、遠慮せんでインカム使ってや」
……バレてたんだ。
私がインカム使わなかったことが。
皆に心配かけて、余計な負担をかけたくなかった。
私一人でどうにかしようと甘く考えてた。
でも結局私は無力で、ゾムくんが来てなかったら私今頃…
『分かった』
そう答えれば彼は優しく微笑む。
その後ゾムくんは私と一緒に居てくれて、皆が戻ってくるのを待っていた。
不安そうな私を他所に、ゾムくんは「アイツ等は簡単に居なくならんよ」と信頼しきっている様子で話すから、私もその言葉に安心出来た。
それから1時間程たった頃、皆が大きな怪我も無く帰って来た。
会議室には私も呼ばれて今日の反省点や敵国の情報を共有していく。
皆が怪我もなく戻って来れたのは、敵国の目的が戦争ではなくて私だったから。
私を攫って我々国の士気を下げるのが目的だったと聞いて、私は改めて自分のした判断が逆に迷惑になっていた可能性を考えて反省する。
会議が終わりグル氏は、
gr「無事で良かった」
と短く言う。
『グル氏も無事で良かった』
グル氏は真剣な眼差しを私に向けて
gr「A。お前は俺らの大切な仲間や。だから、遠慮なんかしなくていい」
大きな手で私の肩を軽く叩くとそのまま会議室を出て行った。
"仲間"その単語に心がフワフワする。
私を仲間だと認めてくれる人が居る。私を大切にしてくれる人が居て、戻って来てくれる人が居る。
人の減った会議室を私も出ようとすると、1人の人物に目が止まる。
俯いたままその場から動こうとしないシャオくん。
『…シャオくん、体調悪いの？』
私が遠慮がちに声を掛ければ
sha「A...」
消えそうな程に細い声で私の名前を呼んで、私の腕を掴んで会議室から出た。
ドンッと背中に冷たい感覚がして自分が壁際に追い込まれたんだと気が付く。
ゆっくり視線を上げれば視線が重なるけど、黙ったままで何も言わない。
私は気が付いていた。
私に触れるこの熱い体温も。
潜むような、それでいて絡み付くような視線も。
2人を取り巻くこの危うい空気も。
シャオくんが私をどう見ているのか知った上で私は知らないフリを続けた。
だって私は…
ゆっくり近付いてくるシャオくんを私は拒まなかった。
いや、拒めなかった。
だって私はその気持ちを返せないから。
ゆっくり重なった唇は震えていて、私の中に罪悪感が重くのしかかる。
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呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは！コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました！気が付かなかったので教えて頂けて助かりました（ ；∀；）ありがとうございます！ (2018年11月11日 19時) (
レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。１つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか？ (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます（ ；∀；）探してみますね！笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：呉城莉李。 | 作成日時：2018年4月1日 11時
