▼STORY.22 ページ22
syp「...すみません、Aさん雨苦手でしたよね」
薄暗い空からは粒を大きくした雨が降り続け、それを見たショッピくんは申し訳なさそうな表情を浮かべている。
雨は嫌いだけど隣にショッピくんが居てくれるから少しは気が紛れる。
『謝らないで良いよ。大雨じゃなければ大丈夫だから。それに、ショッピ君とお話出来る良い機会だもん』
そう言って笑うと彼がほんのり頬を染めた気がした。
syp「さっき俺の言った言葉の意味、気付いたんですか？」
『え、何が？』
何のことだろう…そう思いながら彼の言葉を思い返していると
syp「ふっ、気付いてないなら今はまだ気付かんで良いですよ」
柔らかく笑った彼の表情は無性に優しいのに、私を見つめる瞳が切なげに揺れている気がして、私もそれ以上追求する事をやめる。
"今はまだ"…か。
ショッピ君と他愛もない話をしているうちに雨が上がり、空からは薄ら光が差し込み始めた。
『雨止んだね！ショッピ君変な所抜けてそうだし、転びそうだから』
さっきの彼の表情が少し心配で、少し意地悪っぽくショッピ君のブカブカの上着で隠れた手を差し出す。
syp「はっ、Aさんには言われたくないんですけど？」
私と同じ様に意地悪く笑ったショッピ君は、上着の袖を遠慮がちに少し捲ると私の手を握る。
ショッピ君の温かい手は、温度を失った私の手にじんわりと温もりを与えてくれて、2人で屋敷に向かう帰り道はあっという間だった。
kn「濡れへんかったか2人共…ってなんで手繋いでんねん！」
ut「ほんまや！ショッピ君抜け駆けか！？」
『…本当にうるさい』
syp「まぁ、いつもの事ですし…」
屋敷に着いて門の前で出迎えてくれた2人は、私達を見るなりギャーギャーと騒ぐ。
今も尚騒ぎ続ける2人を前にして私もショッピ君も目を合わせて笑い、どちらも手を離す事はせず走って鬱くんとコネくんから逃げた。
syp｢暫く言われ続けますね｣
『あはは、そうだね。今日は2人から逃げないとだよ』
後ろを振り返り追いかけて来る2人を見て笑うショッピ君は本当に楽しそうで、その笑顔がずっと続いてくれたら良いと心から思った。
まだまだ知らない事は沢山あって、どういう経緯で此処に来たのかも分からないけど、それでもこの笑顔を見れたから全部どうでも良いんだ。
ただ笑ってくれるだけで、私も嬉しいから。
ショッピ君の笑顔が遠い記憶の中にある誰かと重なったのは、きっと気の所為だ。
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呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは！コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました！気が付かなかったので教えて頂けて助かりました（ ；∀；）ありがとうございます！ (2018年11月11日 19時) (
レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。１つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか？ (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます（ ；∀；）探してみますね！笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：呉城莉李。 | 作成日時：2018年4月1日 11時
