▼STORY.20 ページ20
『...って事があったんだけど...エミさんどう思う？』
昼下がりの暖かい日差しと淹れたてのコーヒーの香りに包まれるエミさんの部屋で、私は昨日のコネくんとの出来事を口にする。
em「そうですね...私から言える事は1つしか無いですよ？」
エミさんはそう言ってからカップに口を付けて1口飲む。
『なに？』
em「コネシマさんに聞いて下さい。
私の口から勝手に彼の気持ちを改変する様な事は言えませんから」
少しだけ困った顔をして笑ったエミさんに、「そうだよね...」と小さく零した。
em「...本人に聞くのは怖いですか？」
湯気が立ち上るカップを片手に、遠慮がちに聞くエミさんはきっと私の気持ちに気が付いている。
『...怖くはないよ。ただ...
コネくんが私の事どう思ってるのか分からないけど、私は今の関係を壊したくない」
そう。私はこの関係が維持出来る事を強く望んでいるから、亀裂が入りそうな事は避けたい。
私の我儘で自分勝手な考えで誰かの事を傷付けてしまうのは分かるけど...壊れた物の修復の仕方が分からないから、最初から壊したくない。
ずっと両親から愛情を貰えないまま、そして知らないまま過ごして来た私に愛情を注いでくれ、教えてくれた彼等は私にとっては家族そのもの。
だから、この幸せな今の状況を手放すのが心底怖いのだ。
em「オスマンさんがお菓子を持って来て下さるみたいなので、一緒に食べましょ」
エミさんはこれ以上暗い雰囲気にならない様に明るく私を誘ってくれて、少ししてからマンちゃんが訪ねてきたので3人で他愛もない話をした。
頭の片隅にコネ君の事が少しだけ残りながら。
『あっ、』
2人と別れてエミさんの部屋から出ると、タイミング悪く今1番悩んでる原因である本人も部屋から出て来た。
kn「あ、ってなんやねん」
『ううん。びっくりしただけ』
いつも通りを装いながら内心は焦っていて、コネくんにバレないように必死だった。
kn「昨日の事まだ意識しとるん？」
『まだって何？私は昨日も別に意識してなかったよ！』
意地悪く聞くコネくんにムカついて、1人で悩んでる自分がバカバカしくて。
強気でコネくんに言葉をぶつける。
kn「はっ、意識してへんのに顔赤いんや？」
私の頬を引っ張りながら笑うコネくんの胸元を軽く叩きながら、
『気の所為だばーーーーか！』
なんて子供みたいに暴言を吐いて自室に逃げるように向かった。
kn「意識しとるのは、俺だけなん？」
そう寂しく呟いた彼の声など届くはずもなく。
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呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは！コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました！気が付かなかったので教えて頂けて助かりました（ ；∀；）ありがとうございます！ (2018年11月11日 19時) (
レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。１つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか？ (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます（ ；∀；）探してみますね！笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：呉城莉李。 | 作成日時：2018年4月1日 11時
