▼▽STORY.14 ページ14
久しぶりに入った総統室を見渡せば、隅々まで整理整頓が行き届いていてグル氏の性格が部屋に現れている様だった。
グル氏は私をソファに促した後に仕事机に向かい、
gr「もう少し仕事してから寝るけど先寝るか?」
と私に確認してくれる。
『ううん。グル氏が寝る時に寝るよ』
gr「眠くなったら寝てええからな」
『ん、そうするね』
私はソファに腰掛け、エミさんから貸してもらっている本を読みながらグル氏の仕事が終わるのを待つ事にした。
グル氏の部屋のソファはフカフカして座り心地が良くて、本を読み進めて数十分が経った頃。
ズラっと並んだ文字の羅列に次第に私の瞼は下がり始めていた。
gr「A?.....ねるん.....ベッドで.....」
『んーー.....』
グル氏の声は聞こえるが、眠気が急激に襲いかかり上手く聞き取れない。
眠気に抗えないまま、私はそのまま意識を手放した。
....................................................
gr『待たせ過ぎたな...すまんな』
ソファで気持ち良さそうに眠るAに小声で声をかけ、起こさないようにゆっくりAを抱き抱える。
ベッドにAを降ろそうとすると、いつの間にかAが俺の胸元の服を握っているから俺もそのまま横になる事にした。
こうしてAと一緒に寝るのはいつぶりだろうか。
そんなことを考えながら、隣で気持ち良さそうに眠るAを見つめる。
柔らかい髪にふんわりした色白の頬と細い首筋…無意識に俺の手は彼女に触れる。
昔は男とか女とか気にせず簡単に触れる事が許されていたのに…。
彼女は俺のことを保護者的ポジションとして見ているという自覚はある。
当たり前だ。
今までの自分がそう接してきた結果なのだから。
だからこの気持ちは隠し通すしかない。
今の関係を壊さないように。
今の関係を守り続ける為に。
Aの傍に居続ける為に。
俺は寝息を立てるAをそっと抱きしめ、
gr「───っ...」
耳元で囁く。
眠っていて欲しいけど起きていて欲しい。
知られたくないけど知って欲しい。
そんな矛盾を抱えて呟いた言葉。
朝起きたら、寝ぼけていたと誤魔化せばいい。
なにか聞かれても、聞き間違いだと流せばいい。
俺はどこまでも狡い人間なんだ。
お前の近くに居られるなら、どんなに苦しくても今の関係のままで良い。
そう意気地無しの俺は思うんだ。
gr「...おやすみA」
そう小さく呟き眠りにつく。
寝て起きたらこの気持ちにまた蓋をするから、今だけは.....
gr「.....好きだ.....」
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呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは!コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました!気が付かなかったので教えて頂けて助かりました( ;∀;)ありがとうございます! (2018年11月11日 19時) (レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。1つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか? (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます( ;∀;)探してみますね!笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:呉城莉李。 | 作成日時:2018年4月1日 11時