検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:35,362 hit

▲甘いのはどっちだ ページ23

17時半過ぎの部活の無い日の帰り道は、私達以外同じ制服の人は見当たらない。
コネシマとの気まずい雰囲気は今も尚継続中で、隣に居るだけで息苦しくて体温がいつもより高い気がした。
kn「なぁ、コンビニ寄ってええか?」
『うん』
声が上擦ってしまいそうなのを誤魔化す為に短く答えたけど、相変わらず愛想の悪い自分の返事に呆れてしまいそうだ。
コンビニに着き中に入って行くコネシマ。
買う物も無い私は少しコネシマから距離を置いて冷静になる為に、『外で待ってるから』とコネシマに背中を向ければ、さっきと同じ様に腕を掴まれるから嫌でも教室の出来事を思い出してしまう。
『な、なに?』
コネシマを見れば真剣な顔をして
kn「外は危ないやろ。中入れや」
なんて言うから、何が危ないのか頭の中にはてなマークを浮かべながらも渋々中に入る事にした。
腕はとっくに離されているのに触れられた場所が熱くて、制服越しなのに今も触れられているみたいで変な感覚。
それを忘れる様に新発売とPOPの貼られたお菓子を手に取り、興味を別の対象に移す事にして無理やり思考を止める。

kn「結局買ってるやん」
『美味しそうだったから。1個食べる?』
私がそう聞けばコネシマは私が買ったお菓子を受け取り口に入れたから、私もそのお菓子を口にすると甘いストロベリーチョコの味が口に広がった。
kn「…あっま」
『甘いの嫌いだった?』
kn「嫌いやな」
眉間に皺を寄せるコネシマを見れば、このお菓子に対する嫌悪感を隠せていない。
『これどう見ても甘いじゃん。食べなければ良かったのに』
呆れながら言えば「気になったんやもん」なんて幼い子みたいな理由が返ってくるから、さっきまで張り詰めていた空気が少しだけ緩んだ。
kn「ん。これやるわ」
コネシマが私に差し出したのはいちごミルクで、それは偶然にも私が好きなメーカーの物だった。
『良いの?ありがとう。私これ好きなんだ』
kn「……」
コネシマから受け取りお礼を言うもコネシマは無反応。
『コネシマ?』
私が声を掛けたら、
kn「いつもそうやって笑っとったらええねん」
そう言ってコネシマは先に歩き出す。

…なんだろう。なんか分かんないけど、泣きそう。
kn「A、はよ帰るで」
立ち止まってる私の場所に戻って来たコネシマに、今まで聞いた事も無い音が聞こえた気がした。
名前を呼ばれただけでフワフワする、この気持ちは何?

少し温くなったいちごミルクを1口飲めば、私の買ったお菓子よりもずっと甘かった。

▽怪我の功名→←▽衝動的言動



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (91 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
292人がお気に入り
設定タグ:実況者 , wrwrd , 〇〇の主役は我々だ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

チャコ○ - バリ続き楽しみです…めちゃくちゃ面白いです… (2022年1月27日 10時) (レス) @page17 id: 160a7ef55b (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - あやめさん» 初めまして(*^^*)お読み頂きありがとうございます!嬉しいお言葉頂けたので更新頑張れそうです!ありがとうございます(´∀`) (2018年8月25日 20時) (レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - はじめまして!!とても素敵な作品ですね好きです!!!!(唐突)更新がんばってください!!!!!めっちゃ楽しみに待ってます!!! (2018年8月25日 2時) (レス) id: 2e9cde5e4d (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - 兎危@緑君は天使です。これ絶対←さん» コメントありがとうございます( ;∀;)!有難いお言葉ばかり頂けて嬉しいです!お読み頂きありがとうございます(´∀`)! (2018年7月28日 11時) (レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@緑君は天使です。これ絶対← - シッマアアアア!((シッマ可愛いし夢主可愛いし大先生なんか有能だし佳奈ちゃんは可愛いし...神作品ですね知ってます (2018年7月28日 10時) (レス) id: 556657c7c7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:呉城 莉李。 | 作成日時:2018年7月10日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。