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翌日、早速、隠の方に背負われて煉獄家を訪れた。
身体がふらつくが、なんとか1人で立ち
『獄寺A、只今帰りました!』
と、玄関で声を出した。
私の声に1番に反応し飛び出してきたのは
「Aっ!!」
その声の主に抱きつかれた私は、更に驚いた
『し、し…っ
し、しん、じゅ、ろうさん?』
なんと、今まで出迎えてくれたこともなかった槇寿郎さんだった。
「あぁ。良かった…。目を覚ましてくれて…!」
その言葉と共に、槇寿郎さんは私を抱きしめる腕に力を更に込めた。
『槇寿郎さんっ!!…師匠が、師匠がっ!!』
槇寿郎さんの温かさと、大人の包容力に、プツリと緊張の糸が切れたのか、堰を切ったように涙が溢れた。
周りのは人はもうあれから2ヶ月近く経過しているが、私にとっては2日前の話だ。
「聞いている。立派な最期だったようだな。」
トントンと、背中を撫でてくれる。
『でも!わ、私が、もっと強ければ!!師匠が死ぬ事はなかったかもしれないんです!私が、怪我なんて負うから…っ!わ、わたしっ!継子なのにっ!!師匠の盾にすらなれなかったんですっ…待機命令、無視してでも、命に代えてでも動かなければならなかったんです…っ!!ぅう。』
ガシッと肩を掴まれたと思うと
「たわけっ!!大馬鹿者がっ!!」
怒号が飛び出した。
『…っ!!』
「継子は、師匠の盾になる為のものじゃない!!師匠が継子を育て守るのは当然だ!!そして、継子は、師匠の意志を、願いを、継げ!!辛いことだが、死を乗り越えろ!!生き残った事を恥じるな!」
『…っ!!ぅう、っく。』
師匠も、炭治郎達に言っていたじゃないか…っ!!
“柱ならば、後輩の盾となるのは当然だ。”
“若い芽は摘ませない。”
“心を燃やせ。歯を食いしばって、前を向け”
“胸を張って、生きろ”
今更になって、あの時、理解出来てなかった言葉の数々を理解することが出来た。
「それに…。なによりAを守りたかったんだろうよ。愛する女を守って、最高に格好良い最期見せれたんだ。男冥利に尽きるって事だ。」
息子に格好つけさせてやってくれ。と、私の頭をポンポンと撫でた。
その撫で方が、生前の師匠と同じで
また涙が溢れた。
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こっちゃむ(プロフ) - 柑橘系さん» 柑橘系様、コメントありがとうございます! そんな褒めて頂けるとは!有り難い限りです!実は、本編終了後の方がメインだったりします。笑 楽しんで頂けたのならば、作者冥利につきます。(*^^*) 最後まで目を通して頂き、ありがとうございました!(*^^*) (2020年10月27日 22時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系 - え、、、??貴方様は天才ですか????本編終了後とかもあるなんて最高じゃないですか!!すごいです!!!尊敬します!! (2020年10月26日 21時) (レス) id: 836661e0c9 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 飛鳥さん» 飛鳥様、コメントありがとうございます!良く分かりましたね!!(*^^*) 替え歌です!気付いて頂けて嬉しいです(*゚∀゚*) ハッピーエンドで終わらせる事が出来て良かったです(^^) 2人は幸せに暮らしていきます!(^^) 目を通して頂きありがとうございました!(^^) (2020年1月20日 7時) (レス) id: 28f6e76fef (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - 途中のはやはり紅蓮華の替え歌でしょうか!?最後!!結ばれて良かったです....お幸せに!! (2020年1月18日 23時) (レス) id: b31001c27f (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - ロアさん» ロア様、コメントありがとうございます!(*^^*) 予想外でしたか?(^^) 楽しんで頂けたみたいで、大変光栄です! 最後まで目を通して下さりありがとうございました!良いお年をお迎えください(*^^*) (2019年12月24日 14時) (レス) id: d587bb3c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こっちゃむ | 作成日時:2019年12月2日 2時