炎の花 【煉獄 杏寿郎】

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『師匠！千寿郎！お風呂、お先でした！』

「Aさん、おかえりなさい。丁度今出来上がりましたよ！」

『千寿郎、ただいま！！いつもありがとう！！』



私は、濡れた髪を手拭いで纏め上げ、出来上がった夕食を運ぶのを手伝った。



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「うむ。では、いただきます！！」



3人が食卓についたのを見届けた師匠の号令で、夕食の時間が始まった。


「『いただきます！』」

「うまい！」

『うまいです！』

「わっしょい！」

『わっしょいです！』


「ふふふっ、それは良かったです。」



師匠と囲む食卓は、騒がし過ぎるほど、賑やかだ。





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夕食を食べ終え片付けも終えた後


「A、おいで。」

『はい、ただいま！！』


師匠の自室へと呼ばれた。


自室へと呼ばれたが、うふふな事は全くない。
恋仲という関係ではなく、師匠と継子という関係だからだ。



何故呼ばれたかと言うと…




「今回の任務の報告！」

『はい！姿を隠す血鬼術を使う鬼で、情報収集に時間がかかりましたが、この獄寺Aが、しっかり仕留めて参りました！」

「怪我はないか？」

『はい！傷１つ作っておりません！！』

「さすが俺の継子だ！今日はもう寝て、明日からまた、鍛錬に励むことだ！」

『はいっ！師匠っ！ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します！』




そう、ただの任務の報告だ。


お館様には鎹鴉をつかって、終わった後は手紙を送っている。

師匠にも手紙で報告しても良いのだが、師匠には、面と向かっての報告をすることが義務付けられている。

だから、柱という忙しい身でありながら、私が帰宅する時間に合わせて屋敷に居てくれるのだ。


なんでそんな事になったかと言うと、私がいけないんだけど…




その原因は、私が最終選別を通って1年ほど経った時まで遡る。






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