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105.洞窟の中 ページ8

「根っこすごーい!!」

楽しそうに駆け回るクリスティに釣られて、ドミニクとアリシアも一緒に駆け回ってはしゃいでいる。

「まるで木の根でできた洞窟ね」

壮大な光景に、アンナは思わず言葉を漏らしていた。そんなアンナにくっついているジェミマ。

「なんだか海の中みたいだ」

ロッシーはマルクと一緒に、見たこともない植物に興味津々の様子。

「うわっ!もうだから来んな!キモい」

虫を嫌がるトーマを見て、ラニオンはケタケタと笑っている。
虫も植物も地上にも増して、見たことのない生き物だらけだ。
鬼達の影響で、何か生態系が急激に変化したのか…
何にせよ、僕らが知ってる生物とは違い過ぎていた。

あーまた頭痛くなってきた。
飛び回る虫を自然と目が追ってしまう。
でも地上よりは煩くないし暖かいし情報量も少ない。ちょっとマシかも。慣れてきたってのもあると思うけど。

上を見上げ、落ちてきた穴を見るが、もう塞がっていた。
上から光は入ってこない。
ドンが持つランプだけが、この暗闇を照らしていた。

「とにかく、まずここから出よう」

追手も迫ってる。物資も限られている。ここから早く出るのが得策だろう。
だけど、

「ダメか……」

壁から飛び出ている根っこをエマは掴むが、簡単に千切れてしまう。

「どの根も登れるほど強くない」

「この上から地上(そと)へ出るのは難しそうね」

「とりあえず進もう。そんで出口探そうぜ」

冷静に分析するギルダとドン。2人とも落ち着いていて、とても頼もしい。


「うわぁ」

「すごい〜」

周りを飛び回る虫や見たこともない植物。
弟妹達(みんな)の好奇心を掻き立てるモノばかりで、賑やかな足取りで進んでいる。

「フフッ、楽しそう」

「みんな疲れを忘れてる。
地上よりずっと暖かいし、追手の目を(くら)ます上でも、地下を歩くのは良かったのかも…」

「いや……早く地上(そと)へ出たほうがいい」

「レイ」

ギルダとエマの言葉に警報を鳴らすレイ。

「道の先がどうなっているかわからない……
逃げ場がなければ敵に襲われた場合、お終いだ。
それに、この森はおかしい。この地下も、何なんだ……なぜこんな空洞が…」

周りを見回し警戒するレイに、複雑そうな表情を浮かべるエマ。

早くここから出たいけど、僕らには進むことしか出来ない。
別れ道のない一本道を突き進んで行くと、今までで1番広い場所に出た。

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ユトナ(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» ありがとうございます!夢主君の顔にはすごく力を入れているので、そう言って頂けてとても嬉しいです! (2022年3月15日 0時) (レス) id: 38c56725bc (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 面白いです!そして夢主お顔がよろしい! (2022年3月15日 0時) (レス) @page17 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - 桔梗さん» ありがとうございます! (2021年4月16日 20時) (レス) id: c75326f28d (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 楽しみです! (2021年4月16日 20時) (レス) id: 8ef62998d5 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - りんごりんごさん» 面白いと言って頂けてとっても嬉しいです!応援ありがとうございます!! (2021年4月11日 7時) (レス) id: c75326f28d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユトナ | 作成日時:2021年2月24日 0時

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