46.失敗 ページ47
「…ねぇ、もしかしてAは…未来でも分かるの?」
………ん!?
想定していなかった話を振られ、今日一の驚きを喰らう。
いきなりなんだ!?
「だって最初にハウスの真実を話した時も、シスターが来た時も、発信機のことだって、Aは驚く素振りを見せなかった。
決行を早めた時でさえ、いつものように驚かなかった。まるで最初から知っていたかのように」
やっべぇぇ…そんなとこまで見られてるなんて思わなかったぁぁ…
うわぁ…思い返せば結構不審な行動しすぎ?僕。
「ねぇ、どうして知っていたの?」
ど、どう…返す?
レイみたいに幼児期健忘が起きなかったとか?
いや僕が今それを言ったらノーマンは信じてくれるだろうけど、後に分かるレイと同じ理由なんてどちらかが嘘を吐いているのではと怪しまれそうだ。
レイはこの6年間準備をしてきた為信じられやすい。かたや、苦し紛れで
……ん?…あれ?"知っていた"?
ノーマンは「どうして知っていたの?」と聞いてきた、ってことは僕が"既に知っていた"という前提で話してきている…
ノーマンの言い方じゃあ"何故知っていたのに、そのことを言わなかったのか"と聞いていることになる。
僕は一言も知っていたなんて言っていない!
あっぶねぇ!カマかけられてたー!
これ、気づかないで答えてたら、僕が知っていたってことがバレてた。
はぁ…
こんな言葉を選ばなきゃ即ゲームオーバーな展開…すごい頭を使う。
ノーマンの言う通り僕は元々顔に出やすい。目立たないよう、知っていることを悟られないよう、ポーカーフェイスを身につけた。
これは昔考えたことだ。僕がいることでどう変わるか分からない原作の対処として、考えた術。存在を極力消して背景に溶け込む。
それに僕は元々頭のいい人間でもない。
前世というアドバンテージと、この体が天才だったってだけで今まで出荷されずに済んできた。だからこんな風に、突然の出来事に頭を使うことに慣れていない。
元は僕のミスだけど、もう勘弁して欲しい。
(この間僅か2.2秒)
「内心ではとても驚いていたよ。ノーマンが分からなかっただけで」
「…Aって嘘をつく時、髪を耳にかける癖があるよね」
「えっ」
焦って振り向く。
確かに僕は今、髪を耳にかけていた。
振り向いた先のノーマンは、罠にかかった獲物を見る目をしていた。
「嘘だけどね」
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ユトナ(プロフ) - この小説、読むのすごく楽しいです!さん» !!!!わぁー!確かにそうですね!!画像差し替えときます!教えて下さりありがとうございます!! (11月4日 8時) (レス) @page23 id: 38c56725bc (このIDを非表示/違反報告)
この小説、読むのすごく楽しいです! - 男主くんが11歳なら誕生日は2034年の4/27だと思います! (11月4日 0時) (レス) @page23 id: f9b3253e9b (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - かえるくんさん» アドバイスありがとうございます!でもプレッシャーには感じてないので安心して下さい!番外編は入れようと思ってましたがwあともう少しで更新は出来そうなので、頑張りますね! (2021年1月24日 22時) (レス) id: e3aba1b098 (このIDを非表示/違反報告)
かえるくん - もしプレッシャーに負けそうとか、ネタが思いつかないとかの時は番外編を入れるとモチベ上がりますよ!更新頑張ってください! (2021年1月24日 15時) (レス) id: 8379750216 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - ぽうんどけーきさん» お心遣いありがとうございます!必ず戻ります! (2021年1月20日 18時) (レス) id: ecfc7fa73a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユトナ | 作成日時:2021年1月5日 16時