21.情報収集 ページ21
NO SIDE
ノーマン、レイ、Aと握手し終わったクローネは、イザベラを蹴落とし、
だがそんなクローネには、あることが気がかりであった。
(気になることが1つあるのよね。
No.03194、A。あの子の資料を見たけれど、スコアの差が大き過ぎる。ある時は254点、またある時は282点、またある時は239点、またまたある時は300点を連続で取る時もある。
そして…)
クローネは子供の相手をしながらノーマン、レイ、Aの3人を見る。
食器を洗っている3人は、ノーマンとレイだけが喋っているように見えるが、2人は時々Aにも話を振る。2人は口を動かさないAを見た後、満足したかのように会話を再開する。
(この光景を今日何度見たことか)
昼食、自由時間、夕食、全ての時間、Aは誰かに喋りかけられても一言も喋らなかった。それなのに周りは"満足"していた。
先程のクローネに「よろしく」と言った一言が今日Aが発した最初の言葉だ。
「ねぇ、みんな」
ニコリとした表情で、相手をしていた子供達に話しかけるクローネ。
「な〜に？」
「どうしたの？」
「Aはどうして"喋らない"のかしら？」
クローネは最初、Aは喋れないのだと思っていた。だがイザベラから貰った資料にはそんなことは書かれていない、そして先程「よろしく」と喋った。喋れないわけじゃないなら、何故喋らないのか。
「なんか、めんどくさいんだって」
「面倒くさい？」
「Aって調子がわるいときがあってね、しゃべるのもだるいっていってたよ」
「でも、今日みたいに調子がいい時はしゃべってくれる時もあるんだ！」
(確かにAは調子が変わりやすいと資料にも記載されていた…)
「じゃあ、みんなはAに喋りかけているけれど、Aは喋らないわよね？どうして分かるのかしら？」
「しゃべらなくてもわかるもんね！」
「ね！ね！ちゃんとわかりやすく"伝えて"くれるからわかるよね！」
(…伝える？)
「どう伝えてくれるの？」
「えー？なんだろー？Aの顔みてたらわかるもんなー」
「嬉しい時はパァ！ってなって、悲しい時はシュン…ってしてくれるの！」
「あ、でもエマとノーマンとレイと話しているときのAは何を伝えてるのかわかんないよね」
クローネはその言葉を聞き逃さなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 651人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユトナ(プロフ) - この小説、読むのすごく楽しいです！さん» ！！！！わぁー！確かにそうですね！！画像差し替えときます！教えて下さりありがとうございます！！ (11月4日 8時) (
レス) @page23 id: 38c56725bc (このIDを非表示/違反報告)
この小説、読むのすごく楽しいです！ - 男主くんが１１歳なら誕生日は2034年の4/27だと思います！ (11月4日 0時) (レス) @page23 id: f9b3253e9b (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - かえるくんさん» アドバイスありがとうございます！でもプレッシャーには感じてないので安心して下さい！番外編は入れようと思ってましたがwあともう少しで更新は出来そうなので、頑張りますね！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: e3aba1b098 (このIDを非表示/違反報告)
かえるくん - もしプレッシャーに負けそうとか、ネタが思いつかないとかの時は番外編を入れるとモチベ上がりますよ！更新頑張ってください！ (2021年1月24日 15時) (レス) id: 8379750216 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - ぽうんどけーきさん» お心遣いありがとうございます！必ず戻ります！ (2021年1月20日 18時) (レス) id: ecfc7fa73a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユトナ | 作成日時：2021年1月5日 16時
