捌拾参話 ページ49
『戻りました』
がちゃり、探偵社の扉を開ける。
「戻ったか」
探偵社の中には敦と太宰を除いた人達が集まっていた。
『……ほんとに、太宰もいないんだな』
「あぁ…お前達と一緒に出掛けたきり、だ。然し本当に無事で良かった」
「敦君………大丈夫なんでしょうか」
「心配もいいが、向こうが何もしてこない限り此方も動けんからな」
ううん…正論だ。
「…致し方ない。組合が動くまで仕事をするぞ。浅間。中島の分はお前に回す」
『え"っ』
俺も俺とて忙しいンだけど…。
『ま、敦が連れ去られたのは俺の責任でもある。流石に太宰の分は無理だが、やってやりますよ』
「そうか。すまんな」
『いえいえ。大丈夫です』
「では、いつも通りに」
福沢さんは其れだけ云って社長室に戻った。
「………社長がああ云うのならば仕事をしなければな」
「そうだねェ」
「ナオミ。外ではなるべく僕から離れないようにね？」
「勿論ですわぁ」
「賢治君も気を付けてね〜」
「僕は大丈夫です！乱歩さん、護衛いりますか！？」
「僕は社長がいるから平気〜」
探偵社は平和だな。
「Aさんは護衛いりますか？」
宮沢君が俺の顔を覗き込むように首を傾げる。
『俺もいいよ。宮沢君が大変だろ？』
「下の名前でいいですよ！僕の方が年下ですし！」
「あ、じゃあ序に僕も。谷崎君って、堅苦しいし」
『え、でも…』
情はないけど親しくなったら中々大変なんだよな。
『………賢治君、潤君。でいいか？』
「はい！」
「構いませんよ」
嬉しそうに花を咲かす二人を他所にばれないように溜息をついた。
「ねぇねぇ」
『なんでしょう、乱歩さん』
「君は、何を隠してるんだい？」
興味本位で尋ねられたであろう質問に少しどきりとする。
此処で動揺したら相手の思う壺だろう。
ばれないように、嘲笑った。
『何も隠してないですよ。……そうですね。云うならば、敦が心配なんです』
「ふぅん。なんだ、疑ってごめんねー」
『別にいいですよ』
乱歩さんは駄菓子を食べ出した。
一瞬ばれたのかと思って冷や冷やしたけど、いいか。
『俺も仕事するかー』
「お、やる気が出たか。早速だが仕事だ」
ぐっと伸びをすると国木田から資料を差し出される。
『なんか一寸多くないか？』
「敦と太宰の分だ。太宰のは皆でやる事が決まった」
『だからか…』
溜息をついて、国木田から資料を受け取った。
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ぴみゃ - ドストさん絡みの男主のお話で一番好きです。頑張ってください、応援してます！ (2018年5月24日 21時) (
レス) id: a5e208826f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 黒翔さん» 調べてみたらそうでした…。ご指摘有難う御座います (2018年4月7日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - どうでもいいし細かいんですけどフョードルの愛称みたいなものってフェージャじゃないんですか？() (2018年4月7日 20時) (レス) id: 8b992b69e6 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - ドストさん癒し！！更新待ってます！ (2018年4月1日 23時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 零さん» 癒しになって良かったです…。有難う御座います！ (2018年1月12日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：曉 | 作成日時：2017年10月15日 22時
