漆拾漆話 ページ43
どさりと乱暴に地面に落とされる。
後で覚えとけよ、スコット……!
「走り回って健康になれたな」
「A……!?」
「うちの作戦参謀は優秀でね、逃走対策も万全だ。書類の分厚さには閉口だが」
『逃げ、ろっ。敦、鏡花…!』
けほっ、と血を吐き出せば2人が動揺しているのが判った。
「くっ……!」
敦が構えると、銃声が聞こえてその場に倒れる。
「……!」
鏡花が短刀を取り出すが、手を撃たれた。
やっぱこいつ後で殺,す。
「ご苦労、トウェイン君」
スコットは躊躇なく敦の首を掴み、俺を抱えた。
「では
「駄……目………。それだけは……」
「メルヴィル君、新拠点のお披露目と行こう」
「……承知した」
メルヴィルが片手を前に出すと地面が揺れて海から白鯨が出て来る。
「久しいな……相棒」
「君とは会ったばかりだが、人生経験から忠告しよう。君に人助けは向いていない。向いているのは_____判るな?」
「如何して?向いていないのなら如何して光を見せたの?如何して望みを抱かせたの?」
鏡花は泣いていた。
『っ…』
ゆるり、手を伸ばすが白鯨に乗せられる。
「ステルスをオンに」
急いでスコットから離れ、窓に駆け寄った。
鏡花の周りには武装した軍警がいる。
「さようなら。もう私を……光で照らさないで……」
口の動きでそう云っているのが判った。
「イシュリー、君のお陰で
後ろからスコットが話しかけてくる。
『そーかよ。なら、俺は用済みだなァ。スコット』
「だからと云って逃がすと思うのか?」
『お前が"逃がす"ンじゃねぇ。"逃げる"んだよ!』
振り向きざまに思いっ切り殴ってから白鯨の口に行った。
『メルヴィル、開けてくれ』
「今開けると空の上だが…」
『問題ねぇ』
「………そうか」
白鯨の口が開く。
『スコット、そいつは殺,すんじゃねぇぞ。_____また、な』
ふ、と小さく笑ってから其処から飛び降りた。
しっかし、結構高度があったから落ちるのが早いな…。
取り敢えず着地の体制に整えて、辺りを見渡す。
『海……は駄目だな。コンクリートだろう』
パラシュートくらい奪っておけば良かったな。
『あぁ、くそ』
不本意で嫌で嫌で嫌で嫌だけど、仕方ない。
『シマ!』
地面間近で、ふわりと浮かんでゆっくりと降りた。
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ぴみゃ - ドストさん絡みの男主のお話で一番好きです。頑張ってください、応援してます! (2018年5月24日 21時) (レス) id: a5e208826f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 黒翔さん» 調べてみたらそうでした…。ご指摘有難う御座います (2018年4月7日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - どうでもいいし細かいんですけどフョードルの愛称みたいなものってフェージャじゃないんですか?() (2018年4月7日 20時) (レス) id: 8b992b69e6 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - ドストさん癒し!!更新待ってます! (2018年4月1日 23時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 零さん» 癒しになって良かったです…。有難う御座います! (2018年1月12日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 | 作成日時:2017年10月15日 22時