漆拾伍話 ページ41
スコットはノートを見て固まる。
『大方、"何もしないで下さい"ってとこだろ?』
俺はスコットと同じように橋の手すりに体重を預けた。
「よく判ったな」
『ルイーザの事だ。よく判る』
「処で、イシュリー。俺を見た時"げ"、と言ったな」
『何で聞こえてンだよ。耳良すぎかよ』
「君の声は聞き取りやすいからな」
『きめぇんだよ、ぶん殴るぞ』
ははは、なんて笑うスコットを横目に俺は溜息をつく。
「……で?追い掛けないのか?」
『なんで?』
「先程"後で絶対合流する"と…」
『ルイーザの作戦通りに逃走対策するんだろ?だったら俺も連れてけよ』
どうせ先回りするなら一緒に行った方が楽だ。
『俺捕まえて連れて行けば敦と鏡花も動揺すると思うけど。スコットはそう云うの考えねぇの?』
「どうせ君は捕まえた所で逃げるだろう?だが……まぁ、良いだろう」
『
歩き出すスコットについて行く。
『
「そんな所だ。近くに止めてあるからすぐ着くぞ」
『懐かしいな。昔はよく乗ってたっけ』
「無断でな」
数分すると白鯨が見えた。
『メルヴィル!』
白鯨の前に立っていた老人に駆け寄る。
「お、久しいな。イシュリーではないか」
「彼も此れに乗せる。オルコット君の想定した逃走先へ急ごう」
「承知した」
俺は白鯨に乗るスコット達の後に続いた。
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ぴみゃ - ドストさん絡みの男主のお話で一番好きです。頑張ってください、応援してます! (2018年5月24日 21時) (レス) id: a5e208826f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 黒翔さん» 調べてみたらそうでした…。ご指摘有難う御座います (2018年4月7日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - どうでもいいし細かいんですけどフョードルの愛称みたいなものってフェージャじゃないんですか?() (2018年4月7日 20時) (レス) id: 8b992b69e6 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - ドストさん癒し!!更新待ってます! (2018年4月1日 23時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 零さん» 癒しになって良かったです…。有難う御座います! (2018年1月12日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 | 作成日時:2017年10月15日 22時