【太宰と二人で歩いていたら…】冷涙さんリクエスト ページ26
_____今日は久し振りの休日。
だからと云って何処かに出掛ける訳でもなく、寮でゆっくりしようと思っていた。
『然し……暇だな』
携帯を確認するが、フェーヂャからの連絡もない。
『休みって何してたっけ…』
ごろん、と布団に寝転んだ。
大体疲れて寝てるかフェーヂャとやってるか。
俺の"休日"なんてそんなもんだ。
『此の儘寝てしまおうか』
目を閉じると同時に、携帯が鳴る。
『はい、此方浅間ー』
「もしもし、A君?」
『あぁ、太宰か。どうした?』
閉じていた目を開け、上半身を起こした。
「今暇?」
『暇だけど…』
「一寸助けて欲しいのだけど」
『猛烈に嫌な予感がするから
「そんな事云わずに。ね、お願い。後で林檎買ってあげるから」
林檎には勝てません。
『判ったよ。何処に居る?』
「其処らへんの木……だと思う。えっとねー、鶴見川が見えるよ」
『取り敢えず鶴見川に行けばいんだな。
ぷつりと電話を切って寝間着から服に着替える。
『あ、無意識に母国語が出たな。ま、いいか』
必要最低限の物を持って寮を出た。
『よっ………と』
パルクールを使って、屋根に飛び移る。
『鶴見川、だったな』
確かめるように呟いて、屋根を飛んだ。
数十分掛けて、鶴見川付近に着く。
『いない…?』
地面に降り立ち、視線を彷徨わせた。
「おーい、A君。此方」
声のした方向に近付くと、太宰を発見する。
『おう、太宰。_____どう云う状況か説明してくれ』
木に吊られた縄に上半身をすっぽりと入った太宰。
うん………どう説明したら良いのか俺にも判らん。
「いやぁ……何時もの様に首 吊りをしようとしていたのだよ。そしたらね、後ろから烏に驚かされたって云うか……」
『んで、吃驚して頭と両手を吊られたと』
「うふふ、当たり」
にこにこ笑う太宰を見ながら、溜息を吐いた。
『先ずどうやって降ろそうか…』
「矢っ張り其処問題だよね」
仕方ない、釈然としないけど…。
『_____シマ、あの縄切ってくれ』
「りョーかい、御主人様ァ!」
シマが木の上に現れて、縄の元を切る。
縄が切れた瞬間に地面を蹴った。
どさり、腕の中に落ちて来た太宰を受け止める。
『…っと、大丈夫か?』
「うん…」
太宰は顔を両手で覆っていた。
『お前軽いな。ちゃんと食ってんのか?』
「君が力持ちなだけだよ…」
【太宰と二人で歩いていたら…弐】冷涙さんリクエスト→←陸拾伍話
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ぴみゃ - ドストさん絡みの男主のお話で一番好きです。頑張ってください、応援してます! (2018年5月24日 21時) (レス) id: a5e208826f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 黒翔さん» 調べてみたらそうでした…。ご指摘有難う御座います (2018年4月7日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - どうでもいいし細かいんですけどフョードルの愛称みたいなものってフェージャじゃないんですか?() (2018年4月7日 20時) (レス) id: 8b992b69e6 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - ドストさん癒し!!更新待ってます! (2018年4月1日 23時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 零さん» 癒しになって良かったです…。有難う御座います! (2018年1月12日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 | 作成日時:2017年10月15日 22時