全テノ始マリノ話、伍 ページ19
『ん…』
目が覚めたので、寝台から起き上がる。
時計を見ると、すでに10時を過ぎていた。
『やべ、寝過ごした』
仕方なく昨日の服装のまま、部屋を出る。
『なんか静かだな…』
静かな院内を不思議に感じながら、台所に向かった。
『おはよー、先生。_____せん、せい…？』
血塗れになった床に倒れている
少し離れた所から、啜り泣く声が聞こえた。
『フェーヂャ！？』
駆け寄ってみるとフェーヂャが蹲って泣いている。
「御免っ……御免、イシュリー」
涙で濡れた瞳が、俺を見た。
「僕っ……止められ、なかった。異能力持ってるのに……止められなかった！」
俺の目の前には二体の骸と、血を浴びた_____女性。
『……………ハギワラ？』
恐る恐る、"彼女"の名前を呼ぶとゆっくりと振り返るハギワラ。
「おはよう、イシュリー」
『おはよう、じゃねぇだろ…！何やってんだよ！此れ、全部！お前が異能力でやったのか！？』
「そうだよ」
『何でッ！何でだよ！』
にっこりと笑いながら云うハギワラの胸倉をつかんだ。
「何でって…………飽きたから」
笑っていた顔を真顔に戻し、まるで"当たり前だ"と云わんばかりに云い放つ。
『そんな事で家族を殺,してもいいのかよ！』
「飽きたから消すのは当然でしょう？」
くすり、笑ったハギワラ。
泣いていたフェーヂャも目を見開いていた。
『ッ！』
掴んでいた胸倉を放すと、後ろに倒れるハギワラ。
『お前なんか………………"異能力"なんか大ッ嫌いだ！』
「そう。私は別に構わないわ」
立ち上がったハギワラはスカァトの埃を払う。
「そんなに嫌いなら、いつか私を…」
途中まで云ってハギワラは消えた。
『フェーヂャ！フェーヂャ、怪我は…』
蹲るフェーヂャに視線を合わせるようにしてしゃがむ。
「僕は問題ありません。Aは大丈夫ですか？」
『平気だよ』
「異能力………こんな力いらない。僕は、Aとずっと」
『大丈夫だよフェーヂャ、俺はお前の傍にいるから』
抱き締めると、恐る恐るだが抱き締め返される。
「もし、僕に異能力がなくてもAは一緒にいてくれますか？」
『勿論』
どさりと、押し倒された。
『…………フェー、ヂャ？』
「御免なさい、A。こんな場所でこんな事が起きてるのに、最高に興奮している僕をどうか」
がっつくように口付けをされる。
あとは、想像に任せようか。
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ぴみゃ - ドストさん絡みの男主のお話で一番好きです。頑張ってください、応援してます！ (2018年5月24日 21時) (
レス) id: a5e208826f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 黒翔さん» 調べてみたらそうでした…。ご指摘有難う御座います (2018年4月7日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - どうでもいいし細かいんですけどフョードルの愛称みたいなものってフェージャじゃないんですか？() (2018年4月7日 20時) (レス) id: 8b992b69e6 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - ドストさん癒し！！更新待ってます！ (2018年4月1日 23時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 零さん» 癒しになって良かったです…。有難う御座います！ (2018年1月12日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：曉 | 作成日時：2017年10月15日 22時
