れもん哀歌

26 ページ26

東「まさかミコトが ああいう男が好みとはね」

三「ああいう男?」

東「中堂」

『え』

三「ちょっと待って 」

東「好みでもなきゃあんなに面倒くさくて態度悪くてクレイジーな男に関わらないでしょ」

『ちょっと人の恋人悪く言わないでくれる?』

東「Aも案外クレイジーだったりして」

『ひど!』

三「クレイジーって言えばクレイジーだけど 気持ちはわからなくはないんだよね」

東「うっわ」

『え なになに』

東「共感は恋への第1歩」

三「だーかーら」

『せめて久部くんにして!お願い!』

東「そうそう 魅力は薄いけど人畜無害!」

三「褒めてるの?貶してるの?」

東「そうなると四角関係か ヤダヤダ職場が荒れる〜」

『えっ なんで私達巻き込むの?』

三「荒れません!」

東「じゃあ行こうか 異性間交流会!もちろんAも!」

三「行きません 合コンは」

『私そもそも系ちゃんいるし』

東「今日のはいいよ〜 私が行ってる高級ジムの有志が集まる飲み会!」

三「高級ジム?」

『月会費がやたら高いとこね』

東「そうゆうとこのほうが危ない人いなくて安心じゃん?」

三「あっ あれか 例の月会費5万円の」

東「そう!5万円の」

『たっか』

東「それじゃ 私はそろそろ異性間交流会に行ってきます」

『変な男に引っかからないようにね』

三「行ってらっしゃい」

『よく行くよね』

三「時には卑猥もありらしいからね」

『One Night Love ?』

三「無駄に発音いいのがムカつく」

『そんなに褒めないで〜 あ!そういえば!』

三「ん?」

『ミコトって中堂さんのこと好きなの?』

三「だから違うって!」

『ほんとに?』

三「私も同じ立場になったら同じことするなって思ったから協力したの」

『よかった 系ちゃんは私の光だから』

三「それより あの日どうしてUDIの誰よりも先にあの場にいたの?」

『…あの日?』

三「しらばっくれないで
葬儀の日 Aは逃げ出す人に紛れてその場を去ろうとした 鈴木さんが行動を起こす時その場にいたのに止めなかった」

『鈴木さんを止めなかったのは ミコトが中堂さんに抱いてるのと同じ【共感】だよ 私も中堂さんもきっと同じことをする だから犯人が果歩さんの前にいる時に 復讐を実行させたかった あなたのした事がどれほど重くて許されないことかを身をもって教えなきゃならなかったの』

三「そんなのっ!」

『ただの自己満足なのはわかってる でももう私達みたいな人を増やしたくない』


堂本はどこか遠くを見つめていた

27-Do→←25-Do

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す