れもん哀歌

21-Do ページ21

所長室で私が作ったお弁当を食べる系ちゃんを横目に

溜まりまくった書類を整理する

系ちゃんここに寝泊まりしてるくせに事務作業全然やってくれないから

提出期限切れたのとか今日までのとか

系ちゃんのデスクから発掘した書類を片っ端から潰してく


三澄班が青森からのご遺体がなんだかんだと話してるのを

軽く聞き流しながら 黙々とキーボードを叩く

中堂さんのせいで私はその青森からのご遺体の解剖に参加出来ず

ここで書類仕事

私って中堂さんの臨床検査技師だよね？

やってる仕事内容事務員なんだけど




ご遺体が到着して オフィスには私と事務員の数人のみ

キーボードを叩く音だけが響く


pipipipipipi…


外部からUDIラボへの着信

いつもは所長が出るけど お取り込み中で無理そうだから

私が電話に出た


『はい こちらUDIラボ』

木「フォレスト葬儀社の木林です!!そちらに鈴木果歩さんのご遺体運ばれていませんか!?」

『あぁ 木林さん それなら多分今頃解剖室に…』

木「それ、解剖してはいけないご遺体なんです!!」

『はぁ…』

木「今朝 葬儀場から盗まれたうちのご遺体です!!」

『え"っ…わかりました今すぐそちらに向かいます どこにいますか』

木「搬入口前にいます」


こんなに焦った木林さん初めて知った

所長に手短に報告した後

搬入口の鍵を借りて 非常階段を駆け下りる

鍵を開けると 木林さんがすぐに入ってきて


木「いきますよっ!!」


たぶん 混乱していたんだと思う

私の右手首をぎゅっと握って解剖室の方に走り出した


自動ドアが勢いよく開くのと同時に響く木林さんの叫び声

手首はまだがっつり掴まれてる


木「それうちのご遺体です うちの葬儀場から盗まれたご遺体なんです…」

『ミコト今 死体損壊罪になってる』


慌てた様子で解剖室にきた所長と数人の刑事さん

ミコトは所長と警察署に

中堂さんはご遺体を閉じて木林さんに渡し

それ以外はオフィス待機を命じられた



『もー！数十分ロスした…』

東「大変だね〜 今回のことで書類回ってこないといいね」

『ほんとそれ てかさ 三澄班の書類ちょいちょい私のところに混ぜないでくれる？』

東「あ、ばれた？」

『ふざけんな』

久「東海林さん やってること最低っすよ」

東「いや、ごめんて！異性間交流会のためなの！結婚したら友人代表の挨拶任せるからさ！」

『わーうれしー ってなるか』

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