しんどい 30% ページ32
.
「あっ!やべ!!!」
そう言ってあたふたしているのは、梟谷の主将である木兎さん。その後ろから なにやってんだよ...とでも言いたげな表情を見せるのは音駒のトサカ。
「木兎さんっ」
そして、後ろから焦ったような声を上げたのは梟谷のオカン兼副主将さんである。
私が石段から落下した現場に辿り着いた彼は、人でも殺せるんじゃないかって思う顔で木兎さんを睨みつけた。
みみずくさんは「ぴぇっ」みたいな事を言って固まった。ご愁傷様です、はい。
「あかーしが怖い...」
そう呟いたのは絶対目の前の彼だろう。
そして、そんな主将を無視してこちらに歩みを進めた赤葦くんは申し訳なさを前面に出して見つめてくる。おめめが尊い...
「本当にすいません。こちらの不注意で...」
そう言って頭を下げる彼の隣にはいつのまにか木兎さんもいた。そこらへんはちゃんとしてるよね、伊達に主将やってないか。
「ホンットにごめんな!怪我してないか!?」
心配度100%みたいな表情で見られると心が痛んでくる。ぶつかったくらいで落下してごめんなさい...
目の前の二人にへらっと笑いながら大丈夫という事を伝えると、取り敢えず一安心といったところだった。
「でも、一応確認させてもらってもいいですか?」
と言った赤葦くんはそのあと、心配ですし。と言葉を続けた。幸せすぎてしんどいとはこの事である。
もう尊い...みんな尊い...とか、目の前で心配してくれている彼らには申し訳ないことしか考えられない。
「あ、はい」
頭がショートしそうになって取り敢えず頷いてみると、失礼します、と言って近づいてくるオカンの手。
いや...え?
「ここ、痛みますか?」
そう言いながら私の足首を触る目の前の天使。
まってこれはなにかのご褒美ですか?
( そこは痛くないけど胸が痛いです )
1734人がお気に入り
「青葉城西」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トガちゃん!! - 私も、静岡県民!静岡弁ってあんまり知られてないよね...。同じ東部! (2022年9月8日 18時) (レス) @page2 id: 16abac1544 (このIDを非表示/違反報告)
sky*(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます!!そうなんですね、場所まで同じとは...運命を感じます笑 (2020年3月12日 0時) (レス) id: 509c9006a2 (このIDを非表示/違反報告)
sky*(プロフ) - 楓さん» 半年ほど更新していなかったにも関わらずそう言って頂けると、とても嬉しいです(^^) 次の話が書け次第2章に移るので、そちらもよろしくお願いします! (2020年3月12日 0時) (レス) id: 509c9006a2 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 夢主ちゃんの両親が静岡東部出身なのが私と同じでなんか感動しました…!とても面白いです!! (2020年3月10日 12時) (レス) id: d5fad54e22 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 更新ありがとうございます!ずっと大好きなお話だったのでとっても嬉しかったです!!すごく続きが気になってしまいます!更新頑張って下さい! (2020年3月9日 17時) (レス) id: 1e6480db67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なも | 作成日時:2018年12月17日 23時