惚れるわけないから。【snr】

はち ページ9

センラside





AAという女は、俺たち二年男子の間で有名だった。
入学式のあの日にクラスの男子と交わした何気ない会話をきっかけに。






「今年の一年の女子は可愛い系の子が多いんだってさ」
「あーでも飛び抜けて可愛い子はおらんらしいで？」






なんや、と話を聞きながら俺は項垂れた。
可愛い奴居らんとつまんねえじゃん。






「そうらしいけど、知ってる？」






そこにまた別の男子が横から入ってきてこう言ったんだ。
俺は顔を上げ少し期待を交えて聞いた。






「一人だけ、可愛いし美人でもある子がおるらしい」





可愛いと美人の両方に捉えられるって凄いなと感激を受けた。
周りの男子も同じだったらしく全員名前を教えろとわいわい言った。

そして密かに俺も、忘れまいとしっかり耳を傾けていた。





「えーっと、AAちゃん、だっけ」






AAちゃん……か。
よし覚えた、絶対忘れやんとこ。

名前からしてやっぱり可愛いんやろうなと思った。




そして彼女に初めて会ったときに、納得したなぁと思い返す。

きゅう→←なな

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