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にじゅうはち ページ29

Aside




無事(?)に体育大会が終了した。

結局私は倒れた後、安静にといわれて休んでいたので結果をセンラ先輩から聞くまでは知らなかったのだ。





「へぇ、一位ねぇ」
『嫌味ですか、酷い』





久しぶりの先輩との下校は遅めの時間だった。もう日が沈みかけている。
何で遅いかというと、私も先輩も途中抜けていたのでその分片付けをやらされていたのだ。





『私も貢献できたかな、良かった』
「どこがやねん、あの一種目以外全部代走してもらったんやろ?」





しょうがないでしょ、倒れたんだもん。
でも一位を取れたってことくらい褒めてくれたっていいのに。

別にそれはいいんですー、と嫌味っぽく言い返しながら私はふと思った。



先輩と、こうしてまた話せるんだなって。
当たり前のことかもだと思うかもしれない。でも私にとってはすごく特別なことなんだ。






「…A?」





不思議そうに私の顔を覗き混む先輩。





『何でもないですっ』
「え〜まださっきの根に持ってんの〜?」
『………違いますよ』





明るい声で笑う先輩に聞こえないようにボソッと呟いた。
でもそれは先輩には届いていたようで、




「何が違うん?」




立ち止まって私をまっすぐに見据える。
眩しい夕日が私達をライトアップしているかのようだった。
私は地面に映る二つ影に視線を移した。





『……帰りましょ?もう時間遅いですそ』



その会話を切り上げようとそう言って歩き出すと先輩は何も言わず渋々付いてきた。
そのまま先輩は私の家まで送ってくれた。





『今日はありがとうございました、また明日』
「…ん、またね」





ガチャというドアの閉まる音を背にした。

そこに残ったのは、ただの寂しいという私の欲望だけ。

にじゅうきゅう→←にじゅうなな



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彩雲 朱瑠璃 - 読みました!すごかったです!文才が!とっっってもキュンキュンしました!最後の縦読みがすごかったです!感動しました! (2022年1月8日 17時) (レス) id: b1698b1cbf (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - 大崎 奏葉さん» 伝わったよ大丈夫!!◎ 推しは尊いものです!!! (2020年3月9日 19時) (レス) id: 6daf1523f9 (このIDを非表示/違反報告)
大崎 奏葉(プロフ) - CIEL☆さん» とにかくキュンキュンしたって言いたかったの! てか、推しが尊い← (2020年3月9日 19時) (レス) id: 289cb6b285 (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - 大崎 奏葉さん» かなはちゃんありがと!! 縦読みあたし好きなんよ……!! 楽しいから使ってみて〜!! キュンキュンの……キュン言いすぎて何か分かんない 笑笑 (2020年3月9日 19時) (レス) id: 6daf1523f9 (このIDを非表示/違反報告)
大崎 奏葉(プロフ) - 文才あるわ……縦読み、今度使ってみようかな! あと、キュンキュンのキュンのキュンしたよ!←え (2020年3月9日 19時) (レス) id: 289cb6b285 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:CIEL☆ | 作成日時:2019年3月28日 17時

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