八十七枚目 ページ41
Aside
「これけっこう美味しいです」
「えっ!?」
心配するさつきちゃんをよそに、私と同じ反応を示す黒子に頷きが漏れる。
さつきちゃんの予想外だという反応も痛いほどわかるが、ほんと飲めばわかるんだ。
「よかったらボクの少し飲みます?」
「え?」
先に少し飲んだけれど、とさつきちゃんに蛍光色のジュースを差し出す黒子。
さつきちゃんはえっ、えっ、とジュースと黒子の顔を交互に見ていて焦っている。
あぁ、間接キスになるからか。
甘ずっぺぇなぁ、と思いながら見守る…が私もそれさっき紫原としたような。
ふと紫原を軽く見上げると、ん?と声が返ってきた。
まあ、いっか。
「お、いいの持ってんじゃん」
と、どこからともなく現れた青峰は、黒子ともう少しで間接キス出来そうだったさつきちゃんからその手に握られたジュースを奪った。
そのままぐぃーっと一気飲みし、空っぽになった容器が目の前に。
「青峰君それボクのです」
「えなにこれテツのかよ、飲んじまった。なんか面白い味だなこれ」
さつきちゃんが持ってるからさつきちゃんのモノだと思って飲んだと青峰は言うけど、そういう問題じゃないよね。
「あぁあ…」
「青峰君のばかっ!あほんだらっ、ガングロクロスケ!!」
「は!?ガ…ガングロクロスケ!?」
青峰にカワイイ罵声を浴びせたさつきちゃんは怒って、先ほど私たちが言った自動販売機の方へずんずんと歩いて行ってしまった。
「な、なんだよ…」
「これは青峰が悪い」
「でもんな怒るかぁ?」
「お前が悪い」
「な、」
「悪い」
「わぁったよ!!」
速く謝りに行けよという意味を込めて言葉を吐けば、察した青峰は仕方なさそうにさつきちゃんが歩いて行った先へ足を進めた。
また青峰だけ行ってさつきちゃんを怒らせてはもとの子もないので私達も一緒について行った。
するとなんてこった、さつきちゃんが高校生の男に絡まれてるじゃないか。
その様子に真っ先に突っ込んだのは黒子で、さつきちゃんに触れようとした高校生の一人の手を掴んだ。
そしてもう一人の方を青峰が膝カックンでこかす。
「てめっいきなりなにしやがるッ」
「なにって…膝カックンだろ」
「体幹もっと鍛えな」
「舐めてん…!?えっ布団が喋っ!?」
別に布団が喋ったわけじゃあないんだわ。
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こたきんぐ(プロフ) - 。さん» お返事遅くなりすみません!いいえ…完結ではありません…続きます…また近々ぼちぼちあげます(泣) ありがとうございます! (2022年11月7日 23時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
。 - 面白くてイッキ見しちゃいました!ちなみにこれは完結なんですか? (2022年10月30日 22時) (レス) @page36 id: 309377f64b (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - (名前)まいさん» ありがとうございます!ぼちぼちやってきます…!! (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
(名前)まい(プロフ) - 最高 (2021年8月14日 22時) (レス) id: ec16fd7069 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - ぼた餅さん» ありがとうございます!お返事遅くなり申し訳ないです…。ほんと自分のペースになるんですが頑張らせていただきます! (2020年8月16日 17時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2020年5月23日 20時