20 私だって手伝いたいんです ページ21
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何度か言葉を交わした安室さんが、毛利さんからの電話を切る。
私はそのタイミングを見計らって、少し震えた声で問う。
「安室さん、爆弾、って」
「…そうですね。Aさんには、…お話しておきます。
最初犯人からは何らかの方法でここで大きな被害を出すと言ってきたんです。それがどんな方法かは確定してなかったんですが、大方爆弾だろうとは思ってました。…その爆弾が、どこに付けたら一番被害が出るのかと考えた結果…」
「観覧車っ?」
「僕もそう思っていました、最初は。けれどもっと被害が出るのは巨大迷路」
なぜ?と首を傾げる。
ちなみに巨大迷路は、制限時間もあったので結局四つしかスタンプを押して帰って来れなかった。
安室さんは首を傾げる私をじっと見つめ真剣に答えてくれる。
「巨大迷路の下にはこの遊園地で使われている電気、ガス、水、いろんなものの元があります。
それを壊してしまえば電気で動いているものは止まり、事故が起き、混乱も起きあっという間に地獄絵図の出来上がりです」
思わずひえっ、と情けない声が出た。
恐ろしい、なんでそんなことを犯人はしようとするのだろうか。
人を傷つけて、殺して、何が楽しいのだろうか。
憎んでいるとか、そんな犯人の事情は知らないけれど、だからといって人の命は他人によって奪っていいものじゃない。
「安室さん!私も手伝います!」
「いや、Aさん危ないので蘭さんたちと」
「いいえ、ここまで聞いたんです!巨大迷路に爆弾が隠されているってことでしょう?探すことは出来ます!私でも手伝えます!」
勢いづいて立ち上がればゴンドラがグラグラと揺れた。
そして倒れかけるのが私である。
ひぎゃ、と間抜けな悲鳴が上がると同時に傾く体。
そんな私をこの前のようにスマートかつ優しく支えてくれるのは安室さんだった。
「…またすみません、ありがとうございます」
「…心配だなぁ」
「こ、これはまた別の話です!」
中腰で絶対辛い体勢だったろう安室さんの腕の中から離れ、また意気込む。
この意見は折りませんと安室さんの大きな瞳を見つめれば、彼は一つため息をつき、僕から離れないでくださいねと困ったように笑った。
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礼 - すっごく面白いです!続き楽しみに待ってます! (2021年12月12日 8時) (レス) @page38 id: 1125244af9 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - ぱるむさん» 流れは一通り書いているのですがちゃんとした文字に起こすのがすごく手間取っていまして…、ぼちぼち頑張っていきたいです!ありがとうございます! (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - アイスあるさん» ありがとうございます!!返信遅くなってごめんなさい、マイペースですがぼちぼちやっていきます! (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - 復活待ってます!すごく面白かったです! (2021年2月15日 18時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
アイスある - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月27日 18時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年9月6日 17時