四十四枚 ページ46
Aside
一軍でのマネ業は、三軍との仕事とさほど変わらなかった。
さつきちゃんと一緒に仕事をするのは凄く楽しくて、これが友達といる時間かと何だか心がホワホワ。
一緒に帰ろうと誘われたけれど、ネコ達のご飯をあげるため誘いを断った。
用事を終え、さて今日はもう帰ろうかと思ったけれど、黒子君が練習していた第三体育館の明かりが点いていたのが気になり、足を運ぶ。
「はぁ…!?なんでだよ!?」
体育館の中から、青峰の叫ぶような声が聞こえた。
少し開いていた扉からこっそり中を覗いて話を聞いていると、黒子がバスケをやめる、なんて話が聞こえてきた。
耳の良い私は二人の会話を全て盗み聞ぎする。扉に背を預け、悲観的な黒子へ投げるバカ素直な青峰の言葉は今は凄く安心した。
諦めなければ必ずできるとは限らないけど、諦めたら何も残らない。
当たり前のようなことだけど、今の黒子には深く刺さってほしい。
だってあれだけ頑張ってたじゃん。
ぎゅっと布団を握り、顔を伏せる。しかしすぐに顔を上げた。何故なら三人分の足音が前から聞こえたから。
「なにをしているんだ?」
前には赤司君にタオル君、巨人。
私は布団から手を出し、声は出さず手だけで中へどうぞと指示しドア付近から離れた。
彼らは私に不思議そうな目を向けてから中へ入っていった。
それでも私は盗み聞ぎを終わらない。
「彼に少し興味がある」
どきんと胸を打つ。
聞こえてきた赤司君の言葉。
「もしかしたら俺達とはまったく異質の才能を秘めているのかもしれない。
悪いが先に帰ってくれないか、彼と少し、話がしたい」
まったく異質の才能。黒子に?わからない、私には。
けれど赤司君にはそんな才能が見えているんだろう。
もし、もしもその才能が本当にあったとしたなら、彼の努力は、報われるんじゃないか。
「おい」
「…ぇ」
気づいたら私の前にタオル君と巨人がいた。そういえばさっき赤司君に追い出されてたな。
「帰らないのか」
「あー、うん、帰るけど。あんたらは?」
「俺はまだ、赤司に話すことがあるのだよ」
「あっそう」
緑色の髪のタオル君、もとい緑間君はそういって私が先ほどまで体を預けていた扉に背を向けた。
そうなると巨人のアイツが残るわけで、そっちに目を向けるとむしゃむしゃとポテチを貪っていた。
「…アンタいっつもなんか食べてるよね」
「アンタこそいっつも布団被ってるじゃん」
あーいえばこういう。
小さな子供を相手しているようで、見た目とのちぐはぐに何だかイラっと来た。
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こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!!(好き) 少々お待ちをっ! (2020年5月22日 20時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!(お前は早すぎんだよ) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 1be42be6d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!そのお言葉嬉しい限りですうう!ほんとに更新遅いですが頑張ります! (2020年5月13日 15時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 応援してます!(短くてすみません()) (2020年5月13日 14時) (レス) id: d0b41bf1bc (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 手越さん» リメイク前!?大昔から…!あの時は本当に…ちょっとお恥ずかしいwありがとうございます!ぼちぼちですが頑張っていきます! (2020年5月13日 14時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年7月20日 12時