四十一枚 ページ43
Aside
「っ、っはああ絶対チュウニビョウだと思ったでしょ！？わかってんスよ！あーもーなんで俺こんなこと言っちゃうかな！」
恥ずかしくなったのか、キセリョ君は撫でていたミンチちゃんを持ち上げぎゅっと腕で抱いた。
ミンチちゃんはみぃッと動きを止める。
「忘れろ、もう忘れて…」
「キセリョ君」
「いいから、山梨の変なフォローとかいいから」
「いや失礼だなわかってるよ」
フォローなんてする気ないわと伝え、キセリョ君の腕からミンチちゃんを取り返す。
本当のことしか言う気ないよ、私は。
「私だって、風の音くらい聞こえたことある」
キセリョ君の、唾を飲み込む音が聞こえた。
普通の人が聞こえるようなびゅうんみたいな風の音じゃなくて。
そんなうるさい音じゃなくて。
静かで、悲しい、風の音。
その風の音だと察したキセリョ君は私の方へ視線を向けた。
「山梨、アンタ」
「布団を被る前はよく聞こえてた。…今は聞こえない、だって布団が私を包んでくれるから」
人生、何が自分の身を守ってくれるかわからないよね。なんてミンチちゃんを抱きながら言えばキセリョ君は何故か私の頭の上に手を置いた。
「…え？」
「……なんつーか、うーん、何て言っていいかわらないっスけどっ！」
「お前もフォロー下手くそじゃねーか」
「うるさいっス」
ぽんぽんっと二度三度私の頭の上で手を上下させたキセリョ君。
私は顔の方へ熱がだんだんと集まるのがわかってくる。
これは布団の温かみのせいか、それとも、同世代にそんなことされる慣れがなかったせいか。
「Aっちも、大変だったんスね」
いつもと違って、バカみたいに優しい音色。
余計に顔が熱くなる。
いやそれよりもだ、待て、と一気に熱が冷めた。
「その、っちってなに？たまごっち？」
「気にしなくてもいいことだから。じゃ、俺は先に帰るんで」
ことりと未開封の猫缶を置いて、機嫌よく帰っていったキセリョ君と、ぽかんと一人この状況に置いて行かれた私。
「……大変だった、とか。何も知らない癖に言うなってのっ！」
八つ当たりのように乱暴に猫を撫でる私の顔がどんな表情で、どんな顔色だったかは、撫でくり回されている猫たちしか知らない。
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ラッキーアイテム
革ベルト
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こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます！！(好き) 少々お待ちをっ！ (2020年5月22日 20時) (
レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 続編おめでとうございます！！（お前は早すぎんだよ） (2020年5月21日 22時) (レス) id: 1be42be6d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます！そのお言葉嬉しい限りですうう！ほんとに更新遅いですが頑張ります！ (2020年5月13日 15時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 応援してます！(短くてすみません()) (2020年5月13日 14時) (レス) id: d0b41bf1bc (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 手越さん» リメイク前！？大昔から…！あの時は本当に…ちょっとお恥ずかしいｗありがとうございます！ぼちぼちですが頑張っていきます！ (2020年5月13日 14時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2019年7月20日 12時
