二十八枚 ページ30
Aside
授業中、私は布団にくるまり少し考えた。キャラじゃないけど…朝の光景がなんとも心に残って。
数学の時間何度も担任の有井先生に怒られはしたけれど、そんな時間はあっという間に流れていった。
そうして放課後になり、私は野良猫たちの元がいる、体育館裏へ行く。
その体育館はあまり使われない、小さな体育館なんだけど…だからか人はあまり来ない。
「…なにしてんの」
のはずなのに、そこには人がいた。
派手な髪をして、私の声にびっくりしたような顔をするキセリョ君が。
「べ、別に？」
「いじめてたとかじゃないよね」
キッと布団の中から睨みながらどもるキセリョ君の近くへ行き、みゃあっと鳴く子猫たちの状況を確認する。
怪我はない、怯えた様子もない。
逆に何故か懐いている、ミンチちゃんが特に懐いててめちゃくちゃすり寄ってる。
本当に何したのとしゃがみ込み、キセリョ君と同じ目線になった私はキセリョ君の方へ振り向くと、目があった。
目が、あった。
「っ！」
「っあ」
絶対あった、と思う。
なんで覗き込むような形で見ちゃったんだろう。
見られた、…見られた…？
いや、見られてないかもしれない。
淡い希望を持ちながら、バッと顔を背け、猫缶をごそごそと取り出す。
するとキセリョ君が待って、と私の行動を止めた。
「えっと、餌は、あげたっス」
「は？なんで？」
「…たまたま猫缶持ってて」
「……ぶはっ」
布団の中で腹を抑えながら声を殺して笑っていると、なんで笑うんスか！と恥ずかしさを埋めるかのようにギャンと鳴いてきた。
たまたま猫缶持ってるやつとか、そんなやつ普通いる？まぁ家で猫飼ってるなら話は別だけどさ。
くつくつと笑う私の膝にミンチちゃんが足をかけ、どこか楽しそうにみゃんと鳴いた。
「理由はどうあれ、ありがと。餌あげてくれて」
「言っとくけどアンタのためじゃないっスから！」
「いや知ってるし」
猫たちのためだと分かってる。
キセリョ君は、猫が好きなんだなぁ。
少しだけ、好感が持てた。
.
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こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます！！(好き) 少々お待ちをっ！ (2020年5月22日 20時) (
レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 続編おめでとうございます！！（お前は早すぎんだよ） (2020年5月21日 22時) (レス) id: 1be42be6d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます！そのお言葉嬉しい限りですうう！ほんとに更新遅いですが頑張ります！ (2020年5月13日 15時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 応援してます！(短くてすみません()) (2020年5月13日 14時) (レス) id: d0b41bf1bc (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 手越さん» リメイク前！？大昔から…！あの時は本当に…ちょっとお恥ずかしいｗありがとうございます！ぼちぼちですが頑張っていきます！ (2020年5月13日 14時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2019年7月20日 12時
