二十四枚 ページ26
Aside
あの巨人に複雑な感情を抱きながら、私は家路につく。
正直私が布団をかぶった状態で道を歩くと、当時はとても驚かれ写真で撮られたりした。
しかし不思議とその写真はネットの海には流れなくて。それはいいんだけど。
まあ今になっては皆慣れちゃって、結構な頻度ですれ違う人とは挨拶を交わす仲にはなった。
「かえしてよっ!」
「やーなこった!」
そんな家路の途中、一つの公園がある。
近所の子供達や小学校帰りの子供達が来るのだが、そんな公園で小学校三年生くらいの男女だろうか。
その二人が何か言い争っているのが聞こえた。
「それ、お兄ちゃんからもらった大切なえんぴつなの!返して!」
「お前の兄ちゃんへんなのー!へんな文字かいてるえんぴつなんてもっててよー!」
緑色の髪をした可愛らしい女の子の鉛筆を短髪の少年がとった、ということか。
きっとあの『好きな子だからいじわるをする』というものなんだろう。
生暖かい目で少しその様子を見ていたのだが、いよいよ女の子が泣きそうだったのを見て、私の体は勝手に動いていた。
「ちょっと男子―、女子をいじめちゃだめでしょー」
「うわぁ!!何だお前!!」
もそもそと布団を動かし二人の元へ行くと、男の子は驚き反射的に女の子をかばった。
やっぱり、好きなのに意地悪しているだけなんじゃないか。
「そんなことしたって、女の子は君のことを嫌いになる一方だよー。
女の子は優しくて、守ってくれる男の子が好きなんだよー」
「…っ!う、うるさい変なおばさん!」
「は?おばさんじゃないし、いいから返したれやえんぴつ」
ほら、と催促すると少し渋った男の子は荒々しく女の子に鉛筆を返し、小さくごめんとだけ謝って走って帰っていった。
いや可愛いかよ。
「あ、ありがとうございます!」
「いいのいいの、あの男の子を嫌ってあげないでね」
「…はい、え、っとお布団の妖精さんですか?」
「ようせっ!?」
女の子の言葉に驚いていると、後ろからこの子の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「結衣」
「おにいちゃん!」
結衣と呼ばれた女の子は、私の横を通り過ぎて兄の元へ走って行った。
.
ラッキーアイテム
革ベルト
593人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!!(好き) 少々お待ちをっ! (2020年5月22日 20時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!(お前は早すぎんだよ) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 1be42be6d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!そのお言葉嬉しい限りですうう!ほんとに更新遅いですが頑張ります! (2020年5月13日 15時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 応援してます!(短くてすみません()) (2020年5月13日 14時) (レス) id: d0b41bf1bc (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 手越さん» リメイク前!?大昔から…!あの時は本当に…ちょっとお恥ずかしいwありがとうございます!ぼちぼちですが頑張っていきます! (2020年5月13日 14時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年7月20日 12時