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二十一枚 ページ23

Aside


疲れたという気持ちでいっぱいになりながらも無事、帰宅。

玄関で靴を脱ぎ家にあがろうとするわけだが、そこで靴の数が多いことに気が付いた。

そしてリビングの方では、帰ってきた!という声が二つ。

誰がいるかなんて、即答できるくらい、完璧に分かった。




「和成きてたんだー」

「おかえりA!」




おかえりおかえり、と二人のテンションの高い男たちが私を出迎える。

兄と従弟の和成。
高尾和成は、たまに家に来て夕食を食べて帰ったり泊まっていったりする、同じ年の従弟だ。

小さい時から遊んでいて、私の顔を知っている数少ない人。
と言っても、小学生時代の子は知ってるかもしれないけどさ。

小学三年生くらいの時までは私だって布団は被ってなかった。

…卒業アルバムでは特例である。名前だけで写真は無い。
きっと中学の卒業アルバムも、小学生と同じでそうなるんだろう。

そんな馬鹿みたいなことが通じるのが、私…なのだ。




「ど?最近オレ来てなかったけど寂しくなかった?」

「全然」

「ぶはっ、つめてぇ!享ちゃんAが相変わらずつめたいよお」

「その冷たさを俺は毎日受けてるぜっ」




けらけらぎゃはぎゃは笑う二人の阿呆たちをすり抜け、洗濯機があるお風呂場へ。

見知らぬ誰かから貸してもらったタオルをカバンから出し、ネットに入れて洗濯機に入れいつもの流れで洗う。




「どうした?兄ちゃん洗うぞ」

「いちいちついてこないでよね…。今日ご飯なに?」

「和ちゃん来たからすき焼き!」




へーよろしく、とだけ返して私が自室へ向かうため階段をのぼっていると、その後ろから和成がついてくる。

「…私きがえまーっす。和成は兄貴とご飯の用意お願いしまーす」

「いやでーす、Aと話したいでーす」

「まず着替えさせろやーっん。…って、アンタたち二人部活は?和成バスケ部入ったんでしょ?」

「俺と享ちゃんは今日は休み!Aは部活入らないの?」




その質問に、私は一度立ち止まる。後ろからあぶね、という声が聞こえたが聞こえないふり。




「……部活、か」




部活、私なんかが入れる部活なんてあるのだろうか。

きっと入ったとしても名前だけ残して、幽霊部員となるんだろうな。



どうした?と首を傾げていると思われる和成を残し、部屋に入り鍵をかけて、着替えを終わらせた。


.

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こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!!(好き) 少々お待ちをっ! (2020年5月22日 20時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!(お前は早すぎんだよ) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 1be42be6d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!そのお言葉嬉しい限りですうう!ほんとに更新遅いですが頑張ります! (2020年5月13日 15時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 応援してます!(短くてすみません()) (2020年5月13日 14時) (レス) id: d0b41bf1bc (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 手越さん» リメイク前!?大昔から…!あの時は本当に…ちょっとお恥ずかしいwありがとうございます!ぼちぼちですが頑張っていきます! (2020年5月13日 14時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/  
作成日時:2019年7月20日 12時

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