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「ちょっ、ちょっと降谷、待って早い」

「あぁ、すまない」




掴んでいた手をぱっと離して、降谷は私の方へ振り向く。




「さっきスタートラインがどうとか言ってたけどあれなに?なんのこと?」

「いつものように聞こえないフリをしとけ」

「だあっ!聞こえたんだから言えや!」

「帰ったらちゃんと仕事しろよ」

「ごめんやっぱ私耳悪いわ」




キュッと口を結んで黙る。降谷は満足気に頷いて、行くぞと笑った。

その後私たちは、降谷の車で24時間営業のバーガー屋にドライブスルー。

適当にバーガーとポテトを買って、まだまだまとまらない資料と死人のような顔をしている同僚たちが待っている仕事場へ帰った。




「ただいまー」

「ハンバーガーとポテト、買ってきたから良かったら」




食べ物があると聞いた彼らはおおっ…と死んだ声を出しながらゾロゾロとやってくる。

私もさっきまでこんな感じだった。けど今はおかげさまでなかなか元気に息をさせて頂いています。




「降谷さんたちは何を食べてきたんですか?」

「こいつが和食食べたいって言ったから、和食を」




和食かあ、と宙を仰いでなんだろう、きっと想像しているんだろう。いいな、と呟いたあと彼らはハンバーガーにかぶりついた。
ありがとうございますとお礼を言われたあとは私たちも仕事にもどる。

自分のデスクに戻ってきて、なんか増えている気がした。資料が。気の所為だろうか、いや気の所為じゃない絶対増えてる。

ぎゅんっと後ろを振り向くと、ハンバーガーを頬張っている中の数人が私からサッと目を逸らした。




「オゥ…」




けど私長い時間開けてたしな、うん、仕方ないと自分を納得させ、彼らが押し付けてきた分の仕事もしてやろうと気合いを入れた。

気合いをしっかり入念に入れるために、前髪をゴムで上にあげ、ちょんまげを作った。

休憩を入れたおかげか、さっきより集中が増した私の頭はフルに回っており、仕事捌きに磨きがかかってきたようだ。


途中で休憩を入れながらも、資料まとめの最後が見えてくるくらいまでは、まとめ作業が終わった。

ちょんまげをぶら下げていたゴムをとって、少し席を外す。

予想通りぶわっと浮いた前髪を抑えながら、私は自動販売機まで歩いた。


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こたきんぐ(プロフ) - ぱるむさん» ありがとうございますえへ にやけが止まらないなんて、なんと嬉しい褒め言葉! (2021年2月14日 18時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - うへへ、好きです。にやけが止まらん。 (2021年2月14日 16時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - かきくけこっぺぱんさん» ありがとうございます!可愛いなって思ってもらえるようにかいたので嬉しいです!! (2020年2月22日 20時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
かきくけこっぺぱん(プロフ) - かわいい…!降谷さんも夢主ちゃんも!楽しませていただきました! (2020年2月16日 22時) (レス) id: b3b5ecba31 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 世界の髪飾りさん» めっちゃんこ嬉しいです!こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2019年5月21日 16時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/  
作成日時:2019年5月16日 20時

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