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コナンside
少し話をして、安室さんが頭冷やしに帰りますと弱々しく笑い出て行った。
それを見て、俺は安室さんを追って出る。
「安室さんっ!」
「来たかい」
安室さんは路地裏の壁に背をあずけ、ぐしゃりと前髪をかきあげた。
その行動と、その深刻そうな表情で、どれだけ不利な状況かわかる。
「詳しく聞かせてよ」
「…これは、安室透からじゃなく、降谷零として今から話すよ」
柔らかな雰囲気が解け、少しだけ冷たい雰囲気を纏った安室さんは、ため息を一度つき、スマホを取り出した。
「事件は昨日の夜起こった。
ニュースにはならないよう、公安が圧をかけたようだが、朝のニュースにはなってしまったんだ。それだけ大きく、しかも過去の事件とも関連していると思われているから、余計。だから、公安は栃木を見放した」
「っなんで!!」
「公安だって、甘くないんだ。…俺だって、使えるものは使いたいさ、でも今回は俺達だけで解決しなくちゃいけない」
安室さんはすいすいとスマホを操作し、また口を開いた。
「今の状況では栃木は一切動けない…。
が、少しでも状況を崩すだけでアイツはうごけるようになるだろう」
「…Aさんが、犯人じゃない証拠を見つければいいんだ」
「ああ」
いつも怖くて汚いなぁなんて思っていた公安が余計怖くなった。
こういう時こそ助けてくれるんじゃないかなんて思っていたから、余計に。
「公安は手を貸さないとは言ったものの、味方はいる。
そこから情報は貰っているから、そこは心配しなくてもいいよ」
わかった、と返事をしてこれからどう行動しようかと頭をひねる。
まずは事件現場に行って、さらっとおっちゃんの名前出して入ってしまおう。
こういう時使わなきゃな。そんでおかしな点見つけて…。
「まずは、事件現場に行こう安室さん!」
「そうだね、コナン君」
俺達は路地裏から出て、Aさんが住んでいたアパート、もう事件現場になってしまったアパートへ足を進める。
安室さんは早足で、俺は子供の足だから走らなきゃ追いつけない。
そんな俺に安室さんは気づいて、ふっと優しく笑い抱きかかえた。
「わっ」
「急ぐよ、コナン君」
ここは大分恥ずかしいけれど安室さんに甘えることにして、俺は今の状況を改めて整理していった。
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こたきんぐ(プロフ) - ありばばさん» こちらこそ読んで頂きありがとうございます!!泣いてくれたんですね…少しでも心動かせたみたいでマジで嬉しいです!番外編の方もし未読でしたら、お暇の時にぜひ! (2022年8月12日 20時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
ありばば - 良作をありがとうございます…!本当好きです、マジで、マジで!!一時はどうなるかとハラハラハラハラしてました泣きました。もっかい見ます (2022年8月11日 11時) (レス) @page47 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - \(^o^)/さん» もったいないお言葉です…。ありがとうございます!笑 (2022年1月23日 2時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - 神作品とはこのこと、、、!!!679を680にしてやったぜ! (2022年1月19日 23時) (レス) @page47 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 眠夢_さん» ええありがとうございますー!!笑笑 その水拭いて差し上げたい…( ˘ω˘ ) 少しでも心動かせたようでよかったです笑笑 (2021年10月4日 15時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年4月5日 11時