８億当てたって、私は変わらない。【名探偵コナン】

２２０億 ページ33

Aside


「毛利さん、なぜこの中で皆持さんを？」

「彼のアリバイを改めて聞いた時、おかしいなと思ったんですよ。あなたは病院にいなかった、家で寝ていたと言っていましたか、それを証明する人はいない。
そして皆持さん、あなたは事件の日、休みを取ったんですよね？しかも事件の日の三日前急に。
それに昨日昔のカルテを見させていただいたのてすか、あなたは被害者と面識がないと言っていましたが、カルテを見る限りあなたは被害者と面識があるはずです！なぜ嘘をついたのです？」

「え…それはただ忘れてただけです」




そりゃ色んな人を診てたら誰をやったとか忘れる場合あるよね。しかもそれ、二年前の話だし。

あと正直言って、あれは計画的犯罪だった。

だから急に休みを取るなんて、逆に犯人の可能性が低く見える。


もっと、他に怪しい人がいる。

『BOMB』のことを伝え忘れているのか？あのわっかりやすい『antshell』という名前を聞いてなんでピンと来ない？


それに、あの人の今の表情、アリバイ時の喋り方、手をいじる素振り…なにか何まで怪しく見えるのに、なんで。

分からないんだろう。


4年前、なんであの時捜査していた警察は、この犯人を捕まえれなかったんだろう。

過去のことを言っても仕方ないんだけどさ。


もう口を出したくて出したくて仕方がない。
口を開け、言葉を発しようとすると、隣から何か針を飛ばしたような音がして、その後タイミングよくハズレ推理を言った毛利さんが眠るように壁に背を預けて座った。


コナンくん、容赦ないな。




「と、言うのはまあ冗談です。真犯人の様子を見るために、疑う素振りをさせていただきました」




いつの間にか影に姿を消したコナンくんが、迷探偵が外した軌道を必死に修正する。

毛利さん、今はちょっと寝てて。推理が余計ややこしくなるから。
遠慮なく言わせてもらうと高校生探偵の方がすごく役に立っちゃうからさ…柔道すごいの知ってるけど。




「そして、改めて真犯人ですが……

蟻貝隼人さん、あなたですね」




キリッとした声でそう断言すると、名前が上がった蟻貝さんはハンっと鼻で笑った。


なんで、笑えるんだろう。



人を、殺してるって言うのに。


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