８億当てたって、私は変わらない。【名探偵コナン】

１９０億 ページ3

Aside


それからいろいろと取り調べを受けた。

警察が取り調べ受けるってどうよ、しかも無実だし、私公安だし。
こんなこと降谷や風見さんにばれたらどれだけ呆れられるんだろう。

逃亡して、二年して戻って、そして事件の容疑者として取り調べられている。

これ絶対怒られるを通り過ぎて呆れられる。

はぁ、っと本日何度目かのため息をついていると、ばたばたと取調室に人がまたやってきて、慌ただしく資料を渡していた。



「っ！？」



その資料に目を通した取調官は、かすかに目を開き驚いており、資料に向けていた視線を私へゆっくりと向ける。



「栃木さん」

「はい」

「あなたの部屋から、殺害に使ったと思われる刃物が見つかりました」

「……えー？」



そんなはずがあるわけないのに。

私は思わず眉間にシワを寄せまたため息を吐いた。



「今指紋鑑定に出しています。…改めて聞きます。あなたが犯人ですね」

「違います」

「証拠は出てるんだ！アリバイも証明できない、あなたが犯人ではないという証拠を探す方が難しい状況だ！…それに、四年前の連続殺人事件の犯人は、まだ捕まっていない。今私達警察は、その連続殺人事件の犯人があなたではないかとも疑っている」



じっと私を見つめる取調官の目は、迷いがなく、まるで私が犯人だと確信しているようだった。

自分の正義を貫くことはいいこと、だけど。

貫き通すために、人を傷つけることだってあることはわかってほしい。


私は家族が大好きだった。
それを自らの手を使って、あんな酷いやりかたで消すなんて、するはずがないのに。



「先程悲鳴が聞こえて通報してきた隣の住宅の女性の取り調べは終わった。彼女にはアリバイがあった、動機もない、証拠も出なかった。彼女が犯人ではなかったよ。それに他のアパートの住民も、アリバイがあった」



私がさっき、通報してきた人について、他のアパート住民について喋ってたんだけど、その結果が今出てきた。

隣ではないという。他の住民でもないと言う。

でも私でもないし。


それにしても私が犯人だと言われてもおかしくない状況が作られているのだ。

アリバイが証明できず、しかも家の中に犯罪に使った刃物も見つかったという。
しかも家にはストーブ用の灯油がおいてあり、四年前の連続殺人犯の手口が使える道具が家に揃っている。


このままでは、本当に私が犯人になってしまう。


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