200億 ページ13
Aside
しばらく固まっていた私は、とりあえず中へとポアロに入れられた。
本当は毛利さんのとこにお邪魔しようと思っていたけれど、今は看板をcloseにしておくから問題ないと店長に中まで押し込まれた。
それから私は心配しただとか、信じてたとかわかってたとか、罪が晴れてよかっただとか様々な言葉をかけられ、心配させてごめんねとひたすら謝り倒した。
「Aさんが謝る必要なんてっ、無いです」
「蘭ちゃん…」
「それに、この事件の犯人って四年前の連続殺人事件に関与してるかもなんですよね…?」
四年前、という言葉が出て、思わず過剰に反応しそうになったがなんとか抑えた。
私は静かにうん、と頷いて笑う。
きっと彼女は知ってる、いや、蘭ちゃん以外の毛利さん、コナン君も。
降谷め、人の情報をペラペラとよくも。
「だから、私は容疑者の可能性を高められた」
「どういうこと…?」
「私、被害者の家族なの」
園子ちゃんの言葉にできるだけ簡単にして返すと周りは当然ざわめく。
「子供には聞かせる話じゃないかもしれないけど、私は家族が死んだ日、偶然実家に帰ってた。
いや、帰ってきたときにはもう家族がいる家は燃えていた」
だから昔一度、現場にいたという私を警察が取り調べたが証拠がでてこず、ただの被害者の家族となって。
今また浮上してきたというわけだ。
「ま、だからこんどこそは捕まえたいよねってことで、毛利さんに依頼頼んじゃおうかと」
「まかせとけ!」
どんっと胸板を叩いてむせそうになっている毛利さんを見て、ははっと笑いを零す。
正確には、コナン君を使いたいだけなんだけど。
「ていうかAさん、寝た?」
コナン君がふと思い出したような言葉に、私は大丈夫だよとだけ返す。
取り調べで寝てはないですが、大丈夫です。
「大丈夫、って…」
「昼夜逆転してもなんだからね。大丈夫―」
大丈夫大丈夫と笑って頭を撫でればコナン君はもー、と言って頬を赤らめる。
可愛いな、元は高校生って知ってても可愛いものは可愛い。
次は可愛い可愛いと連呼してコナン君に怒られていると、ふと私の頭に違和感。
いつもいきなりそんな違和感があれば危険と察知し振り払っちゃうけれど、今回は、何だか振り払えなくて。
「無理、しないでくださいよ」
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こたきんぐ(プロフ) - ありばばさん» こちらこそ読んで頂きありがとうございます!!泣いてくれたんですね…少しでも心動かせたみたいでマジで嬉しいです!番外編の方もし未読でしたら、お暇の時にぜひ! (2022年8月12日 20時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
ありばば - 良作をありがとうございます…!本当好きです、マジで、マジで!!一時はどうなるかとハラハラハラハラしてました泣きました。もっかい見ます (2022年8月11日 11時) (レス) @page47 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - \(^o^)/さん» もったいないお言葉です…。ありがとうございます!笑 (2022年1月23日 2時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - 神作品とはこのこと、、、!!!679を680にしてやったぜ! (2022年1月19日 23時) (レス) @page47 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 眠夢_さん» ええありがとうございますー!!笑笑 その水拭いて差し上げたい…( ˘ω˘ ) 少しでも心動かせたようでよかったです笑笑 (2021年10月4日 15時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年4月5日 11時