黄瀬涼太の幼馴染みだからと言って、同じ高校に行くとは限らない。Fifth【黒子のバスケ】

２１８Ｑ ページ30

Aside


次に出てきたカレーは先程と打って変わってすごく美味しそうなカレーだ。

一口サイズに切られた具材に、ちょうどいいとろみ具合のカレールー。

いただきまーす、と口に入れそのギャップに驚いた。


だめだ。さっきよりもだめだ。




「火神一緒に作ったんじゃないの！？」

「そっすよ！味見もしたし！」

「じゃなんで！？」

「もう俺に言えることは、カントクの料理の下手さは人智を超えてる…」

「逆にすごいななんか！！」




うっ、と胸焼けしてきた胸を抑える俺の隣でそうですか？と平然とカレーを食している黒子。

しまいにはおいしいですよ、と言う。無茶しているのかと思ったけれど、ハッと思うところがあった。




「黒子さ、もしかして、自分でよそって食べた？」

「はい。忘れられてたので」

「監督、すみませんがもう一度よそってみてくれませんか？」

「？いいけど…まずご飯でしょ」




ペンペンとしゃもじでご飯をお皿に盛りつける監督。
ここまではおかしくない。




「で、ルーをかける前に…」

「あ！チーズかかってたんだ、凝って…いや！？何それ！？」

「何って、プロテインとか、ビタミンC粉末とか…」

「それだーっ！！」




それだ、それがおかしいんだ。

カレーだけじゃバランスが悪いでしょ、なんて言うけれど怖いよ。それならサラダとかでどうにかしようと思って欲しい。ギュッと詰めようとしないで欲しい。

あとプロテインとかはご飯と一緒に食べるものじゃないという所から覚えて欲しい。


監督によそわさず、自分で入れるとやっぱり普通に美味しかった。


こうして監督の料理が上達したように見えたけど、次に出された寄せ鍋の状況を見て、これは諦めた方がいいやつだなと心の中で思って、そっと閉じた。



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