１６２億 ページ23
Aside
「じゃあ、コナン君から話してくれる？…君の秘密。言いたくなかったらいいってずっと前に言ったけど、こんな状況だ。まずは自分から、でしょ？」
「…Aさんはズルいね」
「大人はズルいんだよ」
「でも、最初にこれだけは答えて。…黒ずくめの組織に、関係してる？」
彼からどうしてその組織の名が出てきたかわからないけれど、私はただ首を横に振った。
するとコナン君はそっかと笑い、口を開く。
改めて、自分が工藤新一だと言うこと。
黒の組織の薬で、子供になってしまったこと。
それらまるで夢物語のようだったけれど、コナン君の顔は本気と書いてマジな顔をしていて。
それに私が首を振っただけで本当に関係者じゃないという確信はないのに、コナン君は話してくれた。
…こんなにも、私は彼に信用されていたんだ。
「ほら、ちゃんといったよ。次は」
「私の番、か」
私を信用してくれる彼に、私はどこまで話そうか。
彼はきっと、全てと言ってもいい程秘密を私に教えてくれただろう。
でも、私は彼のようにすべては教えられない。
きっと彼なら自分で、私の真実に気づくんじゃないかな。
「…私は、警察のものだよ。六年前から、ずっと。でも私は積もりに積もっていく仕事が嫌で嫌で仕方なくて、気晴らしに宝くじを買ったの。そしたら八億当てちゃって、逃亡」
「逃亡」
「そう逃亡。それから私は一年間ほど日本一周旅行をして、それが終われば暇になって、バイトでもしよっかなぁってなって、たどり着いたのが…ポアロだった」
あの時の選択肢は、後悔はしていない。
素晴らしい友人たちと出会えたから。
「でも、他の仲間に見つかって戻されそうになったんだけど、一か月猶予を貰ったの。
そしたら、丁度その約一か月先が、私の元カレと友人の命日で」
「…だからあの事件が終わった後に姿を消したんだね」
そうだよ、と頷き空を見上げる。
もう日は落ちて、綺麗な星空が見えた。
もう寒くなってきたから、はぁっと息を吐くとその息は白く色づき消えていく。
私は自分のバックから持っていた大きめのマフラーをコナン君と私の膝にかけると、コナン君はありがとう、と小さくお礼を言ってくれた。
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さち - おもしろくて続きが気になります。よろしくお願いします。 (2019年4月6日 16時) (
レス) id: a3a6f8d111 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - はなさん» はじめまして！ありがとうございます(/ω＼)私生活に落ち着きがもう少しでできるので、がんばって、更新します！ (2019年3月15日 12時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - はじめまして！一気に全部読んでしまいました！とてもドストライクなお話で素敵すぎて大好きです！！更新とても大変なことだとは思いますがこれからも応援しています♪ (2019年3月15日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - れさん» ありがとうございますっ！近いうちに更新させていただきます！頑張ります！ (2019年2月12日 20時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
れ - 全部一気にみちゃいましたら！凄いおもしろいです！待ってます、つぎの更新！ (2019年1月20日 19時) (レス) id: de813ae323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年9月8日 14時
