８億当たったんで、仕事休みます。【名探偵コナン】

４７億 ページ49

Aside



「…あら」

「…どうも、可愛いお嬢さん」





後ろを振り向くと、そこには騒ぎの元凶…怪盗キッドがいた。

ていうか今私の事お嬢さんって言った？お世辞？ありがとうでもお嬢さんはきつい。





「私生でキッド見たの初めてだなぁ…。なんでこのマンションの屋上に降りてきたんです？なんもないですよー宝物」

「いやぁ。…お嬢さんが体を乗り出してたもので…」

「！…私が身を投げると？…ふ、あはははっ！！」





私がバカみたいに笑っていると、キッドはポカンと小さく口を開けて驚いていた。

私も驚いていたの。キッドの行動に。





「いやーごめんごめん。怪盗さんがこんなに優しい人だと思ってなくて」

「…あはは。優しい、ですか」

「お宝、どうですか？」

「！どう、とは？」

「貴方が探し求めているものでしたか？」





この怪盗キッドは、自分が求めている宝石…ビッグ・ジュエルっていう宝石じゃなかったら持ち主に返すのだという。

なんかどっかの資料で見た。


キッドはうーんっと考えて、その宝石を懐から取り出し、月に透かした。





「…はは、求めているものではなかったようです。…これ、お返ししといてください」





キッドはそう言って、私の手を取り、その手のひらに宝石をのせた。

やだ、こんな高価なもの私の素手に渡さないでほしい。




「…キッドはもうちょっと年寄りかと思ってたけど…。高校生くらいの格好してますね」

「っ、おっと…顔を覗き込まれると照れてしまいますよレディ」

「そんでさっきからお嬢さんとかレディとか言ってるけど、私君より大分年上だからね？十歳以上は年上だからね？」

「え、嘘だァ」




あからさまに驚かれることに驚くわ。

キッドはまだ余裕があるのか、私の元から飛びたとうとしない。

そんなに私舐められる見た目をしているのだろうか。まあいいけど。





「今ここで私がキッドを捕まえるとか、通報するとか考えてないの？」

「貴方が俺を捕まえると思えないし、通報するためのスマホはあの…お酒とおつまみと一緒に置いてあるからすぐにできないでしょう？」





まあそうだな。と納得し私は頷いた。



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