８億当たったんで、仕事休みます。【名探偵コナン】

４２億 ページ44

Aside


高木刑事とお友達になった一週間後。

私は一人で、米花町の自然総合公園に来ていた。

一眼レフを首からぶら下げて、チェキを片手に公園の中をぶらぶらと散歩する。

ポアロは今日は休みで、降谷は今日三つの仕事全部休みなんだって。ほんと良かったね。



「…おっ、この角度よし」



私はすっかりカメラにはまってしまった。あの日本一周旅行で何かに目覚めて、普通の人より写真撮るの上手くなったと思う。

私は首から下げている一眼レフを、そよそよと風に揺られている小さな黄色い花に向け、カシャリと画面に収めた。

画面を見ると、なかなかうまく取れていたのでちょっとだけご機嫌。


私はそのまま、子供たちが遊んでいる広場に向かった。




「…顔写さなかったら撮ってもいいかな」




子供達が遊んでいる姿があまりにも絵になっていたので、また一眼レフを構えて撮る。勿論子供たちの顔は映っていない。ボールを中心に取ったので、周りはボケているのだ。

私は撮った写真から目を外し、遊んでいる子供たちに目を移した。


子供は可愛いなぁ…決して変態ではない。どっちかというとこの国を守る正義のヒーローだよーなんて。


そんな馬鹿なことを考えていると、コロコロコローっと後ろの方からボールが転がってきて、私の足元に当たった。



「…サッカーボールだ」

「あ、すみませーんっ！」



きっと誰かが蹴ったボールが変な方向に飛んで、私に当たったのだろうと思い、私はボールを拾って背後を見た。

一つ、先に言わせてほしい。


遭遇率どうなってんの。




「あれ！Aさん！？最近よく会うね！」

「ほんとにね。おばちゃんびっくり」




ボールを拾いに来たのはコナン君だった。

遠くの向こう側を見ると、少年探偵団の子もいて、ついでに言うと博士もいた。




「今日は少年探偵団と博士だけで来たの？」

「あー…ううん。沖矢さん、って人も一緒に来てる」

「沖矢さんとも？」




予想していなかった人の名前が出てきたので、思わず驚く。

まあ博士の家から近いもんね、居候先の家。知り合いだってもおかしくないか。




「沖矢さんの事知ってるの？」

「ええ、うんまあ」




コナン君は何だか複雑な笑みを私に向け、Aさんの人間関係がよくわからないよと呟いていた。


いや私も君の人間関係わからないから大丈夫。安心して。


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