入院の時間 ページ32
Aside
一日に二度も気を失ってしまった。
二度目に目覚めた場所は、薄暗い中真っ白な天井が見える場所だった。
えぇ病院です。
「あ、ちゃんと治療してくれたんかな」
「じゃ、ねぇよ」
ぽす、と音がしたかと思えばそこには菊地原君がいらっしゃっていた。
菊地原君は怒っているのか手を私が寝ているベッドへ何度も振り落としており、ぽすぽすと音を立てていた。
「君は、何度、入院したら、気が済むの」
「たはー、入院はできればしたくないかなあ」
てへへ、と頭をかく素振りをすると呆れたように息を吐かれる。
今は何時か確認するため時計を探していると、そっと自分の携帯を見せてくれた菊地原君。
「えっ、三時！？朝！？いや夜！？」
「脳震盪だって。
…さっきあのタコがまた土下座しにきてた。その時に何があったのか教えてくれたけど…、無理ばっかして」
「無理…したのかなぁ」
「したんだよバカ！」
またぽす、と布団を叩く。
「…ごめんって」
「耳も切れてるし」
「痛かった」
「頭異常無いとか医者は言ってたけど…ほんとか？いやAちゃんだしほんとか」
「なにその確信」
前もこんなことあった気がする。
しかし、菊地原君ったらこんな夜でも私の事心配して病院来てくれちゃってさ。
誰から聞いたんだろう…玉狛にも連絡いってるだろうしそこからかなぁ。
嬉しいけど、申し訳ない。
「死ななきゃいいってもんじゃないんだよ」
「はい…」
すり、と私の左耳の傷付近を菊地原君は撫でる。
その手にそのまますり寄るように顔を寄せると頬を優しく包み親指で撫でた。
「ま、明日すぐ退院できるのは流石としか言いようがない」
「あ、ほんとよかったよかった」
「他人事のようにいいやがって…」
「そんな怒らないでっ」
もういい寝る、なんて言ってそのまま私のベッドに顔を伏せ、菊地原君は寝てしまった。
それはもうすぐに、寝息をたてて。明日も学校あるしね、仕方ない。
私はくすりと笑って、目を閉じ、菊地原君に続いて夢の世界へ行くことにした。
なんだかんだあったけど、みんな無事でよかった。
．
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kkkko(プロフ) - アカウント変わってしまいましたが以前から何度も読ませて頂いております。難しいとは思いますが続きを楽しみにしています。 (3月24日 19時) (
レス) id: 058d8792d8 (このIDを非表示/違反報告)
出水紫苑 - 初コメ失礼します。出水紫苑です。突然ですが、交換宣伝という形で宣伝していただけないでしょうか？ご検討お願いします。 (2023年1月23日 10時) (レス) id: ea54a37ee4 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - 初コメ失礼します！本当に面白くて一気読みしてしまいました！もう続きは書かれないのでしょうか？… (2023年1月1日 3時) (レス) @page35 id: fce29c8a64 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - まりりさん» 初めまして！ありがとうございます、嬉しいです！コメントいただいたのでちょっぴり頑張ってみました笑 ちょこちょこ終わりに近づけるよう頑張っていきます！ (2022年2月17日 1時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
まりり - はじめまして。本当に面白いです。いつか続きが出ることを願ってます！ (2022年2月16日 17時) (レス) @page33 id: c117514f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年3月11日 14時
