「死神」の時間２ ページ24
Aside
「今から君達に授業をしたいと思います」
死神と呼ばれる男は本当に、ただの好青年にしか見えない。
にっこりと笑みを浮かべ、教卓に手を置く。
「花はその美しさにより、人間の警戒心を打ち消し人の心も開きます。渚君、君達に言ったとおりにね。
でも、花が美しく芳しく進化してきた本来の目的は…、律さん送った画像を表示して」
ぴこん、と音がしたかと思えば律のもとに何か届いたようだった。
律は顔をしかめ、この男の言う通りにその画像を開けた。
「虫を、おびき寄せるためのものです」
「ビ、ビッチ先生！？」
そこには手足を拘束され、狭い箱の中に入れられているイリーナ先生の写真が映し出された。
この男…どこかで見たことがあると思ったら、あの花屋の人だ。今気づいた。
「手短に言います。彼女の命を守りたければ先生方には決して言わず、君達全員で僕が指定する場所に来なさい」
さもなくばイリーナ先生を私たち全員に平等に行き渡るよう小分けにする、と言ってきた。
なんてむごいやつ。
「Aさん」
「っなに」
「わかっているだろうけど、トリガーを持ってくるのも駄目だよ」
やはり私の素性も知っているようだ。
もちろん、他のボーダー隊員にも言うなってことだろう。私は小さく頷く。
その後寺坂グループが死神へ絡んでいくが、一枚の手紙を含む地図を残して消えた。
文字通りに、消えた。
「…怖く、なかった。ってことが怖い」
「そうだね…」
ぼそりと呟いた私の声に反応して、渚君が答える。
本当に恐ろしいことしか言ってないのに、逆に安心しか感じなかった。
こんな人間、この世に存在するんだな。
とりあえず、私たちは死神が残したものの通り、今日の十八時までに、先生や親御さんに見つからないよう、指定された場所へ向かうことにした。
鳥間先生からもらった、超体操着を着て。
「守るために使うって決めてたじゃん。今着ないでいつ着んの」
「ま…あんなビッチでも色々世話になってるしな」
「最高の殺し屋だが知らねーがよ、そう簡単に計画通りにさせるかよ」
…決して安全な戦いだとは思わない。相手はプロの殺し屋だし。
例え狙いが殺せんせーだとしても、私たちが殺されないという理由はない。
だとしても戦わない理由もない。
．
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kkkko(プロフ) - アカウント変わってしまいましたが以前から何度も読ませて頂いております。難しいとは思いますが続きを楽しみにしています。 (3月24日 19時) (
レス) id: 058d8792d8 (このIDを非表示/違反報告)
出水紫苑 - 初コメ失礼します。出水紫苑です。突然ですが、交換宣伝という形で宣伝していただけないでしょうか？ご検討お願いします。 (2023年1月23日 10時) (レス) id: ea54a37ee4 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - 初コメ失礼します！本当に面白くて一気読みしてしまいました！もう続きは書かれないのでしょうか？… (2023年1月1日 3時) (レス) @page35 id: fce29c8a64 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - まりりさん» 初めまして！ありがとうございます、嬉しいです！コメントいただいたのでちょっぴり頑張ってみました笑 ちょこちょこ終わりに近づけるよう頑張っていきます！ (2022年2月17日 1時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
まりり - はじめまして。本当に面白いです。いつか続きが出ることを願ってます！ (2022年2月16日 17時) (レス) @page33 id: c117514f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年3月11日 14時
