１ アーミー ページ3
正直、かなりショックだった。まさかライダーに先を越されるとはな……。
Aと初めて話したのは、ブルーチームとバトルをして負けた後だった。
｢アーミーさんは、カレー好きですか？｣
ブルーチームのマネージャーだという彼女は、なぜかそうワガハイに話しかけてきたのだ。
｢私、大好きなんです！カレー。でも、料理が下手だから美味しく作れなくて｣
｢……教えてやろうか？｣
え、と驚いたような顔をした後、Aはにっこり笑って言った。
｢本当ですか？ありがとうございます！｣
後日、Aがワガハイの家に来た。台所で一緒にカレーを作って、二人で食べた。
｢こんな美味しいカレー初めてです！｣
｢ふむ、なかなかの出来だな｣
そしてAは少し恥ずかしそうに言った。
｢また今度来ても良いですか？｣
｢……ああ｣
ワガハイが彼女に料理を教え始めたのは、それがきっかけだった。
｢あの、アーミーさん｣
｢何だ？｣
｢もうすぐバレンタインですよね｣
｢それがどうかしたのか？｣
嫌な予感がする。
｢美味しいお菓子の作り方、教えてくれませんか？渡したい人がいるんです｣
｢…………分かった｣
Aが嬉しそうに笑って、
｢ありがとうございます！｣
と言った。渡したい人が誰なのかが気になったが結局聞くことが出来なかった。
バレンタイン前日、台所でワガハイは言った。
｢今日で料理を教えるのを最後にしようと思うのだが｣
Aが驚いて目を見開く。
｢もうほとんどの料理は作れるだろう？｣
｢私は、これからもずっとアーミーさんと料理がしたいです｣
と、彼女は真面目な口調で呟いてくれた。
｢……料理を始めるぞ｣
｢……はい｣
ワガハイは微笑んだ。そうしていないと泣いてしまいそうだった。
｢A。ホットケーキを作った時の事を覚えているか？｣
｢はい。私が焼いた分は、全部真っ黒でした｣
｢それで慌ててお皿に移そうとして、粉が入った袋をひっくり返して、真っ白になった｣
｢うう。あのホットケーキ、思い出すだけで恥ずかしいです……｣
作ったのは小さめのチョコレートケーキ。Aはそこにチョコペンでこう書いた。
ありがとうございました
なぜかそのケーキをワガハイに差し出す。
｢アーミーさん｣
｢？｣
｢また、来るね！｣
ワガハイはAに恋をしていた。その事に気づくのがもう少し早ければ、彼女は振り向いてくれたのだろうか？ライダーよりも大切な人になれていたのだろうか……？
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上帆麻夏 - やっと完結できました！評価、コメントして下さった方々、本当にありがとうございました！ (2019年5月19日 17時) (
レス) id: ee9df02df6 (このIDを非表示/違反報告)
レイナ - アロハ君、カッコいい〜(ﾉ≧▽≦)ﾉ (2019年5月9日 19時) (レス) id: 84e539f36e (このIDを非表示/違反報告)
んま - あああ！最高です…最高… (2019年5月9日 18時) (レス) id: 10cc1d3355 (このIDを非表示/違反報告)
上帆麻夏 - ありがとうございます！すごく嬉しいです！これからも頑張りますね！ (2019年5月9日 8時) (レス) id: ee9df02df6 (このIDを非表示/違反報告)
レイナ - 続き、楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2019年5月8日 17時) (レス) id: 84e539f36e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯乃 | 作成日時：2019年5月5日 10時
