殺して 19 96猫side ページ23
その日から、Aの生活は地獄へと変わった。
クラスへ入れば、
『おは…うわぁっ!?』
足をかけられ、転ばされる。
「ふっwだっさ!」
『あ、あれ…ここにあったのに…』
「あー、それ?汚かったから捨てちゃった☆」
壊され捨てられる。
『い、いや、やめて…』
「ふふっ、いい顔〜。これからもっといい顔にしてあげる」
バシャッ…
「くっさぁーい。帰ろ〜」
華 「ふふっ、ざまぁみろ。クソビッチ」
それを、わしは止められなかった。
でも、そんなわしを、Aはなにも言わずにいてくれた。
96 「ごめん…」
『えぇ?なんで棗が謝るの?悪いのは棗じゃないでしょ』
96 「…ごめん」
『もぅ、謝らなくっていいってば。棗は私と一緒にいてくれて、
ほんとに優しいね』
でも、Aのそんな余裕は日に日になくなっていった。
ある日、「Aが華音を虐めている」という噂がクラスで流れた。
それは当然先生の耳まで届き、Aは呼び出された。
先 「秋咲!お前なんでいじめなんかしてるんだ!
やられてる側がどんな気持ちか、分からないのか!?」
『私は…いじめなんかしてません…』
先 「いじめっ子はそういうんだ!週末、親御さんに来てもらうからな!」
『えっ…』
Aの両親は仕事でほとんど家に居なかった。
帰ってくるとしても月に一回、あるかないか、だった。
だから、そんな急なことにAが対応できるはずもなく、
週末になった。
先 「親御さんは?」
『仕事で…来れないそうです…』
先 「…はぁ、子供がこれなら親も親だな」
『すみま、せん…』
それから大分月日が経って、わし達は三年生になった。
未だにいじめは続いていた。
加え、クラス内だけだったのが学校全体に広がった。
すれ違えば、
「ねぇ、あの人でしょ?自分の友達虐めてるって人」
「自分の友達いじめるとか、どうかしてんのかね」
なんて、他のクラスの人や、下級生にひそひそと言われる日々。
また、いじめの犯人にされることも多々あった。
そんなことに、すでにボロボロだったAが、まだ耐えていたことが
奇跡だった。
ある日、Aはわしを家に呼んだ。
『あ…いらっしゃい…棗』
かすれた声、光の存在しない瞳。
Aはすでにボロボロで、今にも壊れそうだった。
96 「どうしたん?」
Aは、こう言った。
『私って、生きてる意味、あるのかな…』
殺して 20 96猫side→←殺して 18 96猫side
814人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
どうぶつ(プロフ) - やばい!!!泣けた!!! (2018年8月3日 23時) (レス) id: 07d0afdaa9 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - とても良かったです! (2018年7月27日 16時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
織姫 - 紅蓮さん» 返信がものすごく遅れてしまって、本当にごめんなさい!ありがとうございます! (2018年7月4日 23時) (レス) id: 4778a94982 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮 - 一話から見てて面白いです。頑張ってください! (2018年6月8日 17時) (レス) id: fa1bbbe3ca (このIDを非表示/違反報告)
織姫 - 映月さん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません!ありがとうございます!! (2018年5月11日 23時) (レス) id: df76df93db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:織姫 | 作成日時:2018年3月5日 19時