殺して 13 まふまふside ページ15
『〜♫』
ま 「あれ…?なんか歌声が聞こえる…」
僕が珍しく1人で廊下を歩いていると、少し遠くから歌声が聞こえた。
誰だろう…
僕は、歌声が聞こえる方へと進んでいった。
___________
ま 「ここ…?」
歌声が聞こえてくるのは、ある空き教室。
僕らが使っている空き教室とは真逆の方向の場所にある。
ま 「誰だろうなぁ…」
気づかれないように静かにドアを少し開けた。
ま 「えっ…」
僕が見たのは、縄で縛られ、歌を歌っているAちゃんの姿だった。
なんで、Aちゃんが…
それに、また柱に縛られている。
なんで、縛られているの…?
僕は、ガラッとドアを開けた。
『わっ!?』
Aちゃんは驚いたような顔をして、僕の顔を見た。
『真冬…さん?』
ま 「なんで縛られてるの?」
『えっと…それは…』
Aちゃんは、表情を曇らせる。
そんなに、言いたくないことなの?
ま 「ねぇ、聞いてるんだけど」
『っ…』
ちょっときつめの口調で言うと、Aちゃんはこういった。
『ちょっと…ドジして、絡まっちゃって…あはは…』
ま 「は、はぁ…?」
ドジ…?
そんな馬鹿なことがあるわけ…?
『あの、申し訳ないんですが…解いてくれませんか…?』
ま 「…わかったよ」
僕はAちゃんの縄を解いた。
『ありがとうございます…あの…』
ま 「なに?」
『いえ…ただ、真冬さんが私を嫌っている理由を知りたくって…』
ま 「嫌ってる理由?」
『はい…なんか、出会った時より…冷たいような感じがするので…』
それもそうだ
僕は最初、Aちゃんにたくさん話しかけていた
だけど今は、見ることすら不快になった
だって、いじめてた人だよ…?
僕も、前にいじめられたことがあって、それから【いじめ】という
言葉を聞くだけでゾッとする
そんな奴と、仲良くできるはずがない
ま 「僕は、前に華音ちゃんをいじめてた人とは仲良くなりたくないから」
『え…?』
ま 「聞こえなかったの?仲良くなりたくないって言ったの」
Aちゃんは、少し考えると、乾いた笑顔で言った
『そう…ですよね、真冬さんは私がなにしてたか知ってるんですもんね…』
ま 「自分がいじめてたって認めたね?」
『っ…本当ですから…』
ま 「華音ちゃんはいじめさせない」
『…そうですか、じゃあ失礼します』
Aちゃんはそう言って出て行った
僕は、なんでこの時、本当のことに気付けなかったんだろう
やっぱり馬鹿だな…僕って…
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どうぶつ(プロフ) - やばい!!!泣けた!!! (2018年8月3日 23時) (レス) id: 07d0afdaa9 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - とても良かったです! (2018年7月27日 16時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
織姫 - 紅蓮さん» 返信がものすごく遅れてしまって、本当にごめんなさい!ありがとうございます! (2018年7月4日 23時) (レス) id: 4778a94982 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮 - 一話から見てて面白いです。頑張ってください! (2018年6月8日 17時) (レス) id: fa1bbbe3ca (このIDを非表示/違反報告)
織姫 - 映月さん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません!ありがとうございます!! (2018年5月11日 23時) (レス) id: df76df93db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:織姫 | 作成日時:2018年3月5日 19時