【第五人格】対人恐怖症 (ページ6)

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6.コーンスープページ6

ガチャ

扉を開ける音がして顔を上げるとエミリーさんが何か持ってきた

エミリー「貴方暫く何も食べてないでしょう？コーンスープ作ったから食べてちょうだい」

コーン･･･スープ？聞いた事ない単語に首を傾げる。まともに食べさせてもらった事がないから食べ物の名前が分からない

エミリー「･･･コーンスープも聞いた事ないのかしら？」

「･･･」

僕は無言で頷く。悪いかな･･･でもせっかく作ってくれたんだもん･･･あの親とは違うんだ･･･食べよう･･･

スプーンを掴んで恐る恐る口に運ぶ。少し熱いけど優しい温かさに乗って美味しい味が口に広がる

その温かさにボロボロとまた涙が溢れる

エミリー「！･･･美味しいかしら？」

「･･･」

察してくれたのかエミリーさんの言葉に頷く。エミリーさんも僕を優しく撫でてくれた

信じたい。でもまだ怖い。･･･エミリーさんとイライさんは･･･信じてみようかな･･･怖いけど･･･

「･･･A･･･」

エミリー「！」

「僕の名前は･･･A･･･です･･･」

まだ怖くて体が拒絶してるせいか声が小さくなるがエミリーさんには聞こえたようで柔らかく笑ってくれる

いつぶりかな･･･人の温かさに触れたのは

いつぶりだっけ、優しく頭を撫でられたりしたのは

そんな事を考えながら僕はコーンスープを食べる。疲労であまり動かなかった体が少しだけど動くようになった気がした

エミリー「ちゃんと名前を言ってくれてありがとう。少しずつでいいから人には慣れるようにしないとね」

「･･･」

まだ完全に信頼は出来ないけど少しだけエミリーさんやイライさんを信用したいな･･･

少しでも2人に近づきたい。そんな事を思ったのは初めてだった