救済はとんでもないハードモードだった。【鬼滅の刃】

妹 ページ23

任務を終え、私は霰に手紙を鱗滝さんに届けてもらった。

雪花……元気かな？


錆兎に合流するために、霰についていった。

これからの合同任務では、錆兎と共に鬼を倒していくことが多くなる。

もう、家には当分帰れない。

分かっていたのに、もう経験していたのに、もっとーー
皆と過ごしていたかったと後悔する。

余裕が無かった。

未熟だった。

もっと、もっと強くならなきゃ……！


やる事は山積みで、あの日も、どんどん近づいてくる。

雪花が、死んだ日が。




雪花はあの日の夜、寝付けなかったらしく外へ出ていた。
雪花はよく一人でふらふらと起き出す癖がある。
その物音で私も起き、雪花と並んで歩いた。

あのときまだ、鬼の怖さを知らなかった私達は＿＿初めて鬼と遭遇した。


逃げれば、
逃げれば間に合うと思った。

でも鬼は速かった。

雪花は鬼になす術もなく捕まった。

「おねーちゃん！ 逃げてえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！！」

私は逃げた。

後ろから聞こえる骨の折れる音と悲鳴を聞かなかったことにして。

鱗滝さんを呼んでくる、と心の中で何度も、何度も言い訳をして。

雪花は「助けて」とは言わなかった。
自分が一番怖かっただろうに。

それどころか私を助けようとしてくれていた。
真っ先に逃げた、卑怯で汚い私を。


鱗滝さんを連れてきたとき、雪花は喰い荒らされた後だった。

見るも無惨な姿になって。



今回こそは、雪花を絶対に助けなくちゃいけない。
私、氷雨六華は氷雨雪花の姉だから……！

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