Manager Tiger Ⅱ (ページ37)

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#２－１４　Meiwaku side Nakamura ページ37

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中村 side

事務所に向かおうと街を歩いてた時だった。

『海人！』

瞬間的に鳥肌が立って、身体が固まった。

振り向くのも嫌で、胃がむかむかしてくる。

生理的に無理。

この一言がめちゃくちゃぴったりハマる状態。

『海人だよね？ねえ！』

中「……お前さ、前あんだけ騒ぎ起こしといて、
なにまたすぐ来てんの？意味わからん」

振り向くと、見たくもない奴がそこにいた。

蘇る嫌な記憶たちを鎮めて、拳を握った。

『前はまちゅとしか話せなかったから！
一番は海人と話したかったのに！』

中「…知らんけど。まじ、俺らの前に
現れんのやめてくんない？きもいんだけど」

『なんで？だって私、』

ぐいっと近づいてきて、キツい香水の
匂いが鼻にツンとくる。

見たくもなかった顔が視界に入って、
無性にイライラする。

『あなたのマネージャーだよ？』

中「元、だろ」

にやにやと笑う目の前の人間がそう口にした瞬間、
せとちゃんの顔がばーーっと思い浮かんで、
反射で答えた。

『細かいことはいーじゃん。
そろそろ戻ろっかなあって思って』

中「っは、お前の居場所なんてないから。
まじで、消えて」

『え、ちょ海人！！！』

もう視界に入れておきたくなくて、
先を急いだ。

後ろから聞こえる喚き声を、
せとちゃんを思い浮かべて打ち消す。

今日は私服かな、スーツかな。

たくさん話したいな。嫌なことを忘れられるまで。

『……まあいいわ。海人は私のモノだもん』

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