#２−９ Solo ページ26
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中「全部買い取りたい、まじで」
「全部は多いです」
中「ケチ！！」
今日はうみくんが専属モデルを
務めるファッション雑誌の撮影だった。
なんと表紙も任されてしまって、
昨日の夜はうみくんからの
メッセージ通知が夜中まで止まらなかった。
中「せとちゃんはどれが
一番似合ってたと思う？」
今は撮影が終わり、衣装たちの前で
どれを買い取るかお悩み中。
「レザーパンツ似合ってたよね、
うみくんレザー似合うし、好きだったな」
中「あマジ？俺もいいなーって思ったんだよ。
じゃあそれ買う！あとはー、」
この後の仕事はもう無くて、自主練中のみんなに
合流するだけだから、好きなだけうみくんの
至福タイムに付き合っていると、スマホがヴヴッと震えた。
サポ『松倉に上から話がいったみたい。
かなり動揺してるから、メンタルケア頼む』
サポマネさんからのメッセージに、
頭を抱える。
まだわたしは納得してないし、
しっかりと練ってからって言ったのに…！
まつくさんの気持ちを想像すると、
今すぐ駆けつけたい衝動に駆られる。
中「あ、ねえこれも良くない？」
にこにこしたうみくんに話しかけられ、
スマホをポケットにしまった。
まつくさんも、子どもじゃない。
自分で考える時間も、大切だ。
「同じようなの持ってるじゃん」
中「ケチ！！」
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「お疲れさまです」
中「たっだいまー」
事務所の一室に入ると、
みなさんが円になって休憩中だった。
七「あ、また買い取りしたんだ」
元「なに買ったのー！」
中「今回も楽しかった〜」
結局何着も買い取ってたうみくんに
みんなが駆け寄る中、まつくさんは
下を向いて何かを考えているようだった。
「ぁ、」
ちゃかさんと目が合い、コクリと頷かれる。
そのあと、すぐにのえるくんにすれ違いざま
肩にポン、と手を置かれ、やっぱりこの二人には
敵わないなあ、と思う。
「まつくさん」
倉「A…」
不安で揺れる瞳に、
胸が締め付けられる。
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作者名：エキゾチック幸助 | 作成日時：2022年1月14日 22時
