・ ページ32
.
笑った川上に、
胸が締め付けられる。
この笑顔が、たまらなく好きだった。
この笑顔を見るだけで、
なんでも出来そうな気持になれた。
川上「……幸せになれよ」
さようなら、わたしの過去。
悲しくないのに、涙が溢れてきて、
ちゃかさんがそっと拭ってくれる。
宮「……よく頑張ったね」
「……ありがとうございました」
ひどく優しい声色で言われて、さらに
こみあげてきそうになる涙をぐっと堪え、
お礼を言う。
宮「―――もう終わりか」
「、ですね」
なんだか寂しい気持ちに成ってしまうのは、
ぜいたくだ。
マンションの前に着いて、
いつも通り別れる。
「ありがとうございました。
本当に、助かりました」
宮「……楽しかった」
「…わたしもです」
静かな時間が流れ、そろそろ
家に入らなくちゃならない。
宮「……本当に、恋人になってもいいのに」
「―――――え？」
はっきり聞こえたそれが、聴き間違いじゃ
ないかと思ってしまうような言葉で、
思わず聞き返した。
本当に、恋人に、って……？
宮「…ごめん、今の忘れて。おやすみ」
「え、ちゃかさん！」
宮「早く家入りな！」
走って去っていくちゃかさんに、
しばらく呆然と立ち尽くしてしまった。
忘れられるわけ、なくない…？
.
#２−４８ Kinishinaihuri Otokonoko→←#２−４７ Imano Wasurete
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 366人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エキゾチック幸助 | 作成日時：2022年10月31日 16時
