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注射器六本 ページ10




現在時刻11:30

普段なら俺のクリニック、【佐野利クリニック】はとうに診察時間を終えたはずである。
(あ、因みに【佐野利】は俺がお世話になった大学の佐野利教授の名前ね!)

だがしかし、俺+看護師三人という少ない動員たちは慌ただしく滑車つきベッドやら、医薬品カートやらをカラカラと転がし大忙し。



何でこんなことになったか?
それは数時間前に遡る。

::

::

『いや、一日終わりましたね!』
「そうですね〜」
「先生お疲れ様です!」

基本俺は三人の看護師を雇っている。

一人は山田さんという、家庭をもつふくよかな女性。
二人目は笠原さん、彼女の髪はとても美しいことで有名で、まぁ…診療の時はくくってもらってるけど。
そして三人目の浜野さん。彼女が俺たちの中で一番若い。

「で!先生!あのしつこい女の患者さんどうします!?」

笠原さんは俺につかみかかるように問うた。

『い、いやぁ、どうするも何も一応患者さんだし…』

「先生。先生は押しに弱すぎます。もうちょっとしっかりしてください」

「あの女絶対放っておいたらやばいですよ!先生はまたストーキングされたいんですか!?」

『嫌だ』




彼女たちにはいろいろと悩みを相談したりしていて、今じゃ一緒に酒にいく仲だ。


え?
俺に気があるかも?
いやいや、ないよ。

一人は家庭持ちだし、残り二人も素敵な彼氏さんがいる。しかも銀行員と弁護士。エリートだ。

そんな彼女たちに手を出したら俺が縛り上げられるから。恐らく裁判でも起こったら負けるな。俺、まだ死にたくないよ。





「また先生が怖い目に会うのはいやなんですよ私達!」

「少しでも変なことがあったらいうのよ?」

『ええ、まぁ』


最近やたらと面倒な患者が増えたものだ。診療以外にデートのお誘いを受けることもしばしばある。贅沢ななやみかもしれないが、面倒くさいことだ。

一時は先生の子供を身籠ったので結婚してくださいというのもあった。

あれには俺もまわりもびびったな。

俺、一緒に寝た記憶がないんですけど。


そんなふうに看護師と駄弁っていると、自動ドアがウィーンと開ききらないうちに誰かが入ってきて、ガタガタと音をたてた。





「すみません!至急、兄貴の手当てをお願いできますか!?」

「すみませんがお客様…今日の診察は…」

そういうとサングラスをかけた真っ黒な男は残念そうに項垂れた。





『わかりました。それで患者さんは?』

「「「先生!?」」」


『…悪いですが三人とも手伝ってくれますか?』

「はい!」

「先生がおっしゃるなら…」


.

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Указать - カロナール24錠のところ、文字化けが発生しております。後、いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2019年8月12日 1時) (レス) id: 3506ccb36c (このIDを非表示/違反報告)
松の葉(プロフ) - 腐るのであれば、BLのフラグをたてた方が良いのでは……?勘違いであれば申し訳ないです (2019年8月10日 9時) (レス) id: 0752d2fe1f (このIDを非表示/違反報告)
びょう(プロフ) - 15本目の何時も通り〜〜の所の字が化けちゃってますよ。ps.更新ありがとうございます。作者様を応援しております。 (2019年8月3日 21時) (レス) id: 0b0984a937 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - とても面白いです!! (2019年7月30日 17時) (レス) id: 19c16fa711 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ビルト・イン・スタビライザー(笑) | 作成日時:2019年7月6日 18時

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