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誰にでも ページ31

「樹くんいつもかわいいって言うから」

Aちゃんが立ち止まった。


暗くて街頭の少ない小道。
Aちゃんの後ろにのぞく夜空には、
星がいっぱい。
みんなで息を潜めてるみたいに、静かだ。

「樹くんといると、自分がすごくかわいい女の子になったみたいに勘違いします」


無理して作った笑顔。

「勘違い、じゃないんじゃない?」
「…」
「勘違いじゃないよ」



「…って、みんなに言うんですか?」

嘘だろ。
まさかそうくると思わなくて
思わず勢いよく咳き込んだ。



「…アイス、溶けちゃうよ」
"はやく食べな"って言っても、ちっちゃい子みたいに片手にアイス持ったまんま動かない。



とりあえず俺んちはすぐそこ。

Aちゃんを好きな気持ちが溢れ出す前に、
ふたりきりの世界に繋ぎ止めたい。



「ちょっときて」
頑固そうな感じだったのに、すんなり動いて
俺に引っ張られるまま歩く。

こうやってちゃんと繋ぐと、
思ったよりちっちゃな手。

折ってしまいそうでちょっと怖くなった。



ふたりで入った玄関。

「とりあえず…アイス、食べな」
一瞬唇をきゅっと結んで、
黙って食べはじめる。

コーンがちょっと落ちちゃって
「あっ」ていう声がふたり揃った。


ふたりで見合わせて、
声が揃ったことがおもしろかったのか
「ふふ」って笑うAちゃん。
笑うAちゃんがかわいすぎて、笑う俺。

「もーいいからはやくたべて」
俺が思わず笑っちゃうから、Aちゃんも
クスクス楽しそうに食べる。

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つき(プロフ) - sailさん» 素敵なコメントまでくださって、とてもうれしいです( ; ; )こちらこそ、ありがとうございました。今日はいい夢が見られそうです。 (2020年12月10日 12時) (レス) id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - とってもとっても素敵な作品すぎてコメントさせていただきました。ふたりのもどかしい距離にキュンキュンしました!素敵なお話をありがとうございました。 (2020年11月9日 13時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つき | 作成日時:2020年5月5日 0時

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