無意識に握る ページ3
きょもが、Aちゃんに
「これ飲みたがってたやつでしょ」と
缶を渡しながら聞く。
「Aって樹と会うの初めてだっけ？」
小さく"ありがとう"と呟いた彼女は、
「サークルで何回か見たことはあるけど、話したことはないかも」とチラッと俺を見た。
きゅーーーん。
胸が疼いて、ちょっとかゆくて
着ていたトレーナーの胸の辺りを無意識に
ぎゅっと握っていた。
「樹大丈夫？」
もう北斗あきれてるじゃん！なんで！？
「いつも樹来るときに限ってA来ないし、A来るときに限って樹来ないのよね」
「え、うそ」
「うそじゃねえよ、なんならこのまま教えないでおこうかなって思ってたくらいだったのに」
いつもは俺が構ってあげる側なのに、
今日は北斗のほうが上手だ。
「だって樹いっつも誘ったとき女の子ウチに呼んでんだもん」
"こいつは俺らより女優先なわけ"
そう俺を指差して北斗が呆れ果てる。
「違う違う！！彼女じゃないの、全然！」
必死で弁解したけど逆に墓穴掘った。
「大丈夫です、北斗くんたちからいつも聞いてます」
最悪だわ、まじで。
マイナススタートじゃんこんなん。
「ふーん、どういう繋がりなわけ？」
ちょっと余裕ぶってる風で、本当は心の中で大汗かきながら聞いてみる。
�眞呂�作ったらしいおつまみを持ってきた。
「慎太郎の彼女の、高校の後輩ちゃんよ、Aは」
「あ、カナちゃんの？」
「そ、」
なんだ、てかなんで誰も教えてくれなかったんだよ。
てかなんで知らなかったんだよ俺。
「何回か見たことあるはずなんだけどな、お互い」
"まあ興味もねえ相手意識しないか"
結構突いたこと言うよね、�眞呂辰董�
�眞呂里�つまみをひとつ食べた。
相変わらずうまい。結婚してくれ。
「てか慎太郎とカナちゃんは？」
�眞呂�いつのまにか作ったつまみをきょもが受け取る。
「カナちゃん明日早いらしくて帰った」
"こーちが女だったらな〜俺毎日こんな飯食いてえわ"
って
顔はいいのに女っ気のないきょもが
きゅうりぼりぼり食いながらつぶやいた。
そんなところに北斗の爆弾発言。
「でもAも料理うまいよな？」
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つき(プロフ) - sailさん» 素敵なコメントまでくださって、とてもうれしいです（ ; ; ）こちらこそ、ありがとうございました。今日はいい夢が見られそうです。 (2020年12月10日 12時) (
レス) id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - とってもとっても素敵な作品すぎてコメントさせていただきました。ふたりのもどかしい距離にキュンキュンしました！素敵なお話をありがとうございました。 (2020年11月9日 13時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき
| 作成日時：2020年5月5日 0時
