Fischer's- (短編集)

大丈夫 ♯1-マサイ- ページ2

朝、
目が覚め携帯を覗けば愛しい人からのLINE…


(今から撮影だから夕方会おう。)


思わず頬が緩んだ。


結衣(やった！久しぶりに会える！！)


直ぐさま返信しようとベッドから身体を起こした時
大きく視界が揺れた。



結衣『ッ…、？』



なんとか堪えベッドに腰掛け、
揺らぐ視界を振り払う様に頭を左右に振ってみた。

嫌な予感がした…。

揺らぐ視界に火照り出す身体、
恐る恐る体温を測ってみると…



結衣『……38.2…』



改めて突き付けられらた現実に
みるみる内に体調は悪くなり、仕方無く諦める事にした。



結衣『……ごめん。風邪引いたみたいだから、また今度で。』



震える身体を押さえつけながら、
やっとの思いでLINEを返し
そのまま再び眠りにつく事にした。


それから数時間が過ぎ、
目が覚めた頃には日は傾き掛けていた。

眠っている間に返ってきていたLINEに目を通した。



(分かった。)



なんともシンプルな返事に少し口を尖らせつつ
喉が渇き重い足取りで冷蔵庫へと向かおうと立ち上がった時、同時にインターフォンが鳴った。

まさか、と胸が騒ついた。




結衣『……はい。』




マ「あ、俺。開けて。」




結衣『…移っちゃうかもしれないよ？』




マ「……移して良いよ。」




鍵を開け扉が開き切る前に私は抱き寄せられた。

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